撮影:泉山美代子
マリナ・アーマッド来日公演
来日ツアーから早一ヶ月近くが経ってしまいましたが、
ご来場いただきました皆様どうもありがとうございました。
ツアー企画のサチコさん、本当にお疲れさまでした。
貴重な機会をいただきありがとうございました。
また、沢山の方々のお力添えでツアーが実現できたことに感謝いたします。
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マリナジーと、公演についての紹介はこちらにまとめています。
http://kazutosashihara.com/archives/482
撮影:泉山美代子
2016年9月3日(土)蓮田・慶福寺
撮影:泉山美代子
2016年9月4日(日)練馬・練馬区役所
とにかく学ぶ
マリナジーとお会いするのも、共演させていただくのも今回初めてでした。
公演は3本、8月末のリハーサルからたった2週間弱のツアーでしたが、とにかく毎日可能な限り、押しかけるように練習に伺いました。
それというのも、この機会にとにかく学べるものは学べるだけ学び、吸収できるものは吸収できるだけ吸収したいという思いがあったからです。
それから、インド古典声楽のステージをインド古典声楽のステージとして成り立たせるためには、そもそも2週間では全然足りないという認識がありました。
声楽は、ヴォーカルが主導権を握っているといっても、演奏自体を全てコントロールすることは出来ません。ヴォーカルにとっての伴奏とは、何も考えず一切の心配もいらない信頼の置けるものでなければ、良いステージ・良いパフォーマンスなど不可能だからです。
それは彼女も言っていました。ムンバイやバングラデシュでも、信頼の置けるタブラ奏者を呼んで2ヶ月くらい毎日練習したりしていたと。
撮影:泉山美代子
「明確に」
とにかく声楽の伴奏で重要なのは(もちろん声楽に限らずですが、とりわけ)、正確な音と正確なリズム、正確でクリアな「テカ」です。
※「テカ」… リズムサイクルの基本となるフレーズ
「明確に」それは今回最大の目標としていたことですが、それでも「明確に」「明確に」と何度も指摘を受けました。
それは、ただ音やフレーズの話だけではありませんでした。リズムサイクルの中にある同じ音やフレーズでも、方向性や、アクセントや欲しいニュアンスが違っていて、それは言葉には出来ないけれど、彼女自身は欲しい音のイメージを持っているのです。
練習の途中で何度も、彼女がインドに電話をかけ、信頼する馴染みのタブラ奏者に聞いてアドバイスを求めたり、実際に見本を演奏してみせてもらったりしました。
(今の時代、どこでもすぐ電話・ビデオ通話が当たりまえで、メッセージとかでなく手っ取り早く電話!が何しろインド流です。。)
撮影:泉山美代子
Sufi Song
彼女の大きな特徴として、Sufi KalamというSufiの詩を歌う、ということがあります。
Sufi とは、自我を排除し、愛と献身を伴う直接的な行い(修行)の中で真実を見出そうとする思想です。学術的には諸説あるのかもしれませんが、音楽を通して見出そうというのはそういうことだそうです。
彼女の歌う古典曲の詩もそうですし、その他様々なスタイルの曲もSufiの詩です。
そもそも歌を知らなければ演奏なんてできない。全くそういう世界です。
マリナジーの知人のタブラ奏者に助けてもらいながら練習を重ねましたが、形だけなぞっても、本番でヴォーカリストの要求が読みきれない瞬間もありました。
究極的に教わったこと
とにかく通いつめて教わったこと
それは「学ぶ」ということがどういうことか、ということです。
それは決して師弟関係という美しい有り様についてだけでなく、それ以上にもっともっと貪欲で泥臭いものであるということです。
彼女がどれだけの困難や絶望を乗り越えて、それでも生き残り、今まだ音楽を貪欲に学び続けているか、また彼女の師匠であるパンディット・ジャスラジがどれだけ困難な幼少期を経て音楽を学んできたか、それらを本当に理解できるわけなどありませんが、その一端のお話を色々と聴かせてくれました。
「学ぶ」という行為は「学び続ける」という終わりのない献身であり、人生を捧げること。そこには究極的には誰にも介入はできないし、誰とも同行したり共有できるようなものでもない。
学んでいる過程というのは、孵化する前のサナギのようなもの。
とても無防備で危険にさらされている状態でもある。
妨害する人間も悪くいう人間もいる。
だから「学び続ける」ためには本当に賢くならないといけない。
「カズト、もっともっと学びなさい」
それは
チョーさんの言葉と同じものだ。
本当に学んでいくためにはもっと賢くなれ!
チョーさん来日
いよいよ今週末に迫っています。
今回のライブは、10/14(金)、15(土)の2公演のみ。
そしてグループレッスンが、10/10(祝)、11(火)の2本です。
※残席わずか!10/10 が2席、10/11 が1席のみとなりました
非常に限られた機会になってしまいますが、ぜひチョーさんの音・音楽を、どこかで実際に体感してほしいと思います。
音楽は、体験することでしかやっぱり伝わりません。
==アルナングシュ・チョウドリィ来日公演 ==
▽10/14 (金) ライブ 渋谷・UPLINK
恒例となりつつある「インド音楽トーク&ライブ」
今回はナビゲーターのサラーム海上氏の友人でもあるチョーさんの
スペシャルバージョンで開催
▽10/15 (土) ライブ 錦糸町・ささやカフェ
日本を代表するカレー&スパイス伝道師 渡辺玲氏とささやカフェによる
ヴィーガンインド料理付きのスペシャルライブ
▽10/10 (祝), 11(火) タブラグループレッスン(代々木・下北沢)
※残席わずか!10/10 が2席、10/11 が1席のみとなりました
チョーさん来日に合わせて、今回も特別にグループレッスンを開催!
タブラは言葉。最も重要なことは「本来の音」を知り「音の出し方」を知ること
チョーさんのお手本を実際に間近で聴いて見て学べます
ネイティヴでありながら、丁寧でユニークな指導が出来るのもチョーさんならではのものです
この点は、本当に他の誰にも真似できない凄いところです