Monthly Archives: 10月 2016

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サットキリン・カー来日公演 キールタンコンサート

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Category : NEWS , SCHEDULE

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サットキリン・カー・カルサ来日

キールタンコンサートに出演します。


【出演】Satkirin Kaur Khalsa(ボーカル、ハルモニウム)、Ferenz Kallos(バイオリン)、指原一登(タブラ)
【日時】11/2(水) 19:00~20:30 開場18:00
【会場】赤坂区民ホール 港区赤坂4-18-13
【参加費】ドネーション(申込不要、入口にて募金をお願いいたします。)

【問合せ】クンダリーニヨガ

キールタンに馴染みのある方には、有名なキールタンアーティストの初来日ということで貴重な機会になると思います。

クンダリーニヨガに興味のある方には絶好の機会、翌日の11/3(祝)にはワークショップもあるようです。


”キールタンとは、インドの賛美歌を集う人全員で歌い、その音と波動に瞑想します。サットキリンは、インドで多くのキールタンマスターより神聖な言葉をシャバッドと呼ばれる音楽に乗せ歌う深い瞑想法を学びました。音楽及び神聖な音として知られるナードヨーガを通じて人類の意識を高める為、ニューヨークで40年以上キールタンアーティストとして活躍してきました。”

〜クンダリーニヨガ 東京HPより

と書かれていますが、瞑想やスピリチュアルに特に興味がなくても、誰でもシンプルにリラックスして聴ける音楽であるので、ぜひお気軽にご参加ください。


コラム「キールタンの謎」

個人的に感じていたキールタンの”謎”について少し書いてみました。

なにが”謎”なのかというと、今までインドと関わってきた中で、キールタンというものには触れたことがなかったからです。
インド音楽から「キールタン」というキーワードにはなかなか触れる機会がありませんでした。
キールタン広く宗教歌のことを指すらしいとある時聞きました。
でも宗教歌としてはバジャンという歌が歌われているのは知っていましたが、キールタンという言葉はインドではなく日本で知りました。

そして「キールタン」と言っても色々あるようですが、まるでインドと関係のない西洋音楽もキールタンと呼ばれていたりして、実際かなり混乱していました。

そういうわけで”謎”に思っていたのですが、その”謎”の原因をまとめてみると次の二つの点に集約されました。


謎①:インド発祥というのに、なぜアメリカ経由なのだろう?

謎②:インド発祥というのに、なぜ音楽的にはインド音楽ではなく、西洋音楽なのだろう?

この機会にいろいろ調べてみて、現時点で分かったことと、私見を少し書いておきます。
ちなみにここで書いているのは、全てのキールタンやヨガについてカバーしたものではなく、あくまでも今回関わるクンダリーニヨガとそのキールタンについて調べた範囲になります。

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まずクンダリーニヨガというのは、日本ではまだあまり知られていないヨガで、気づきのヨガとも言われているそうです。元々はパンジャーブ地方のシーク教徒の間で秘伝として師から弟子へ受け継がれていたもので、ヨギ・バジャンという人が初めて広く一般にも公開したものです。そしてこの人が教えを広めたのがアメリカだったということなのです。
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ヨギ・バジャンについてかなり簡単に紹介すると、1929年パンジャーブ地方の生まれ、16歳でクンダリーニヨガのヨガマスターの称号を与えられる。1947年のインド・パキスタン独立時の混乱を極めるパンジャーブを経験したのは18歳。60年代後半にカナダのトロントへ招聘され渡ったものの、不幸が重なり散々苦労したのちヨガ教師として活動を始める。その後アメリカに招聘され、そこで多くの人々が真理に飢えていて、またそういった希求の魂に多く触れたことで、西欧社会に引きつけられることとなる。しかし当時は数世紀に渡るタブーを破ってまでクンダリーニヨガの秘伝を公開したにもかかわらず、折しもドラッグカルチャー真っ只中のアメリカでは多くの若い生徒がドラッグをやっていた。「私は、生徒を集めるために来たのではなく、教師を育てるために来たのだ」と自らの使命を語り、腰を据えてクンダリーニヨガの精神を広め、人々の人生と世界をより良くすることに身を捧げた人であるということです。
参考:https://www.3ho.org/yogi-bhajan/about-yogi-bhajan

まず謎①このクンダリーニヨガとそれに伴うキールタンは、インドから広まったのではなく、アメリカから広まったという理由がわかりました。それ以前は秘伝として外部には伝わっていなかったわけですから。

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もう一点、謎②音楽的になぜインド音楽ではなく西洋音楽な理由について。この点は私見になりますが、音楽を言語に置き換えて考えてみると分かりやすいのではないかと感じています。
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まず、インド音楽を構成している要素はメロディーとリズムです。これに対し西洋音楽の構成要素はメロディー、リズムにハーモニーという要素が大きな役割を占めます。インド音楽では、メロディーとリズムの要素を極限まで進化させたラーガやターラというシステムを使っています。

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インドにおけるシークのキールタンを聴いてみると、やはりインド音楽に基づいています。ではなぜアメリカではそのまま演奏されていないのだろう?
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そこで、キールタンが使われる「Naad Yoga」というものについてクンダリーニヨガの記述を見てみると、
「ナードヨガとは、舌や口の動き、脳内の化学反応の変化を通して、音の振動が体・心・魂にどう影響してくるかを経験することに基づいている。我々は、脳内の化学的構成を変えることで、意識を変えることができる。」
とあります。

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インド音楽の習得は、言語の習得に似ています。教科書で単語や文法を覚えただけではコミュニケート出来ず、本当の音の出し方、使い方、その意味やそれによって何を生み出すかなどは、師弟の強い関係性を通して得た体験でしか習得できないからです。ちなみに、その習得に当たっては人の一生では足りないとすら言われています。音楽それ自体が一生の目的となるのです。

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一方、ナードヨガは、気づきを得ていくというクンダリーニヨガの目的を達成していくための方法であり、キールタンはそのツールであると見た場合、音楽性や音楽それ自体が問題になるのではなく、言葉と、音を出すという行為自体が問題となってくるとみることが出来ます。

目的や意図を伝えるためには、受け手の言語で伝える必要があるということです。アメリカでは、パンジャーブ語ではなく英語で伝えなければ伝わりません。今回調べた資料も全部英語の記述です。同様に伝える相手に分かりやすい音楽で表現する、というところに繋がったのではないかと思うのです。

実際のところどうなのかは、もう少し深く知りたいと思っているところです。

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音楽を演奏する、歌の伴奏をするということは、その背景までよく理解していないと、本当の意味では出来ない。これは先のマリナ・アーマードさんのツアーでも良く思い知ったことです。

背景にあることが色々飲み込めていないと、底の浅い薄っぺらなものになってしまう。

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書いておいたことで、また新たな疑問も生まれてきたので、今まで触れたことのない世界、シークのことも探求してみるいい機会だなと思っています。


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マリナ・アーマッド来日公演レポート「学び続ける」

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撮影:泉山美代子


マリナ・アーマッド来日公演

来日ツアーから早一ヶ月近くが経ってしまいましたが、
ご来場いただきました皆様どうもありがとうございました。

ツアー企画のサチコさん、本当にお疲れさまでした。
貴重な機会をいただきありがとうございました。

また、沢山の方々のお力添えでツアーが実現できたことに感謝いたします。

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マリナジーと、公演についての紹介はこちらにまとめています。
http://kazutosashihara.com/archives/482

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撮影:泉山美代子
2016年9月3日(土)蓮田・慶福寺

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撮影:泉山美代子
2016年9月4日(日)練馬・練馬区役所


とにかく学ぶ

マリナジーとお会いするのも、共演させていただくのも今回初めてでした。

公演は3本、8月末のリハーサルからたった2週間弱のツアーでしたが、とにかく毎日可能な限り、押しかけるように練習に伺いました。

それというのも、この機会にとにかく学べるものは学べるだけ学び、吸収できるものは吸収できるだけ吸収したいという思いがあったからです。

それから、インド古典声楽のステージをインド古典声楽のステージとして成り立たせるためには、そもそも2週間では全然足りないという認識がありました。

声楽は、ヴォーカルが主導権を握っているといっても、演奏自体を全てコントロールすることは出来ません。ヴォーカルにとっての伴奏とは、何も考えず一切の心配もいらない信頼の置けるものでなければ、良いステージ・良いパフォーマンスなど不可能だからです。

それは彼女も言っていました。ムンバイやバングラデシュでも、信頼の置けるタブラ奏者を呼んで2ヶ月くらい毎日練習したりしていたと。

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撮影:泉山美代子


「明確に」

とにかく声楽の伴奏で重要なのは(もちろん声楽に限らずですが、とりわけ)、正確な音と正確なリズム、正確でクリアな「テカ」です。

※「テカ」… リズムサイクルの基本となるフレーズ

「明確に」それは今回最大の目標としていたことですが、それでも「明確に」「明確に」と何度も指摘を受けました。

それは、ただ音やフレーズの話だけではありませんでした。リズムサイクルの中にある同じ音やフレーズでも、方向性や、アクセントや欲しいニュアンスが違っていて、それは言葉には出来ないけれど、彼女自身は欲しい音のイメージを持っているのです。

練習の途中で何度も、彼女がインドに電話をかけ、信頼する馴染みのタブラ奏者に聞いてアドバイスを求めたり、実際に見本を演奏してみせてもらったりしました。
(今の時代、どこでもすぐ電話・ビデオ通話が当たりまえで、メッセージとかでなく手っ取り早く電話!が何しろインド流です。。)

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撮影:泉山美代子


Sufi Song

彼女の大きな特徴として、Sufi KalamというSufiの詩を歌う、ということがあります。

Sufi とは、自我を排除し、愛と献身を伴う直接的な行い(修行)の中で真実を見出そうとする思想です。学術的には諸説あるのかもしれませんが、音楽を通して見出そうというのはそういうことだそうです。

彼女の歌う古典曲の詩もそうですし、その他様々なスタイルの曲もSufiの詩です。

そもそも歌を知らなければ演奏なんてできない。全くそういう世界です。

マリナジーの知人のタブラ奏者に助けてもらいながら練習を重ねましたが、形だけなぞっても、本番でヴォーカリストの要求が読みきれない瞬間もありました。


究極的に教わったこと

とにかく通いつめて教わったこと

それは「学ぶ」ということがどういうことか、ということです。

それは決して師弟関係という美しい有り様についてだけでなく、それ以上にもっともっと貪欲で泥臭いものであるということです。

彼女がどれだけの困難や絶望を乗り越えて、それでも生き残り、今まだ音楽を貪欲に学び続けているか、また彼女の師匠であるパンディット・ジャスラジがどれだけ困難な幼少期を経て音楽を学んできたか、それらを本当に理解できるわけなどありませんが、その一端のお話を色々と聴かせてくれました。

「学ぶ」という行為は「学び続ける」という終わりのない献身であり、人生を捧げること。そこには究極的には誰にも介入はできないし、誰とも同行したり共有できるようなものでもない。


学んでいる過程というのは、孵化する前のサナギのようなもの。

とても無防備で危険にさらされている状態でもある。

妨害する人間も悪くいう人間もいる。

だから「学び続ける」ためには本当に賢くならないといけない。

「カズト、もっともっと学びなさい」


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それは

チョーさんの言葉と同じものだ。

本当に学んでいくためにはもっと賢くなれ!


チョーさん来日

いよいよ今週末に迫っています。

今回のライブは、10/14(金)、15(土)の2公演のみ。

そしてグループレッスンが、10/10(祝)、11(火)の2本です。
※残席わずか!10/10 が2席、10/11 が1席のみとなりました

非常に限られた機会になってしまいますが、ぜひチョーさんの音・音楽を、どこかで実際に体感してほしいと思います。

音楽は、体験することでしかやっぱり伝わりません。

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10/14 (金) ライブ 渋谷・UPLINK

恒例となりつつある「インド音楽トーク&ライブ」
今回はナビゲーターのサラーム海上氏の友人でもあるチョーさんの
スペシャルバージョンで開催

10/15 (土) ライブ 錦糸町・ささやカフェ

日本を代表するカレー&スパイス伝道師 渡辺玲氏とささやカフェによる
ヴィーガンインド料理付きのスペシャルライブ

10/10 (祝), 11(火) タブラグループレッスン(代々木・下北沢)

※残席わずか!10/10 が2席、10/11 が1席のみとなりました
チョーさん来日に合わせて、今回も特別にグループレッスンを開催!
タブラは言葉。最も重要なことは「本来の音」を知り「音の出し方」を知ること
チョーさんのお手本を実際に間近で聴いて見て学べます

ネイティヴでありながら、丁寧でユニークな指導が出来るのもチョーさんならではのものです
この点は、本当に他の誰にも真似できない凄いところです


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アルナングシュ・チョウドリィ来日公演 再び!グループレッスンも開催します!

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チョーさんの来日目前!

いよいよ今週末にはチョーさんが再来日します!

今回の来日では、ライブが2本、グループレッスンが2本のみとなっています。

どの公演も、一味違った魅力で楽しめますのでどうぞお見逃しなく!

 


=アルナングシュ・チョウドリィ来日公演 =

詳細:http://tablatablatabla.wixsite.com/japantour

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10/14 (金) ライブ 渋谷・UPLINK

恒例となりつつある「インド音楽トーク&ライブ」
今回はナビゲーターのサラーム海上氏の友人でもあるチョーさんの
スペシャルバージョンで開催

10/15 (土) ライブ 錦糸町・ささやカフェ

日本を代表するカレー&スパイス伝道師 渡辺玲氏とささやカフェによる
ヴィーガンインド料理付きのスペシャルライブ

10/10 (祝), 11(火) タブラグループレッスン(代々木・下北沢)

※残席わずか!10/10 が2席、10/11 が1席のみとなりました!
チョーさん来日に合わせて、今回も特別にグループレッスンを開催!
タブラは言葉。最も重要なことは「本来の音」を知り「音の出し方」を知ること
チョーさんのお手本を実際に間近で聴いて見て学べます
ネイティヴでありながら、丁寧でユニークな指導が出来るのもチョーさんならではのものです

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ディプトニル初来日ツアー終了!体感することでしか得られないもの

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濃密な一ヶ月間

ツアー日程が全て終了しました。ディプトニルと企画の木村さんも無事にインドに帰国されたようです。

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撮影:松尾義正

ツアー企画の木村さんからお話をいただいてから約半年、今回は企画主催を2本、その他公演のタブラ伴奏を含め4本でディプトニルと共演させていただきました。

各公演にご来場いただきました皆様ありがとうございました。

企画は決して一人では出来ない

HEAT bEAT MUSIC 主催公演では、沢山の方々にご協力いただき開催を実現することができました。

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撮影:松尾義正
会場のマスミ・横尾さん、撮影のシネワークス・松尾さん、田谷さん、演出協力の中田屋・中田正幸さん、中田尚子さん、音響提供のKappa Infinito・関根さんをはじめ、当日も沢山のスタッフに支えていただきました。
皆様、本当にありがとうございました。

ほぼ毎日

ディプトニルが来日してから1ヶ月。

名古屋・大阪公演で東京にいない期間以外は、練習、共演、ワークショップ、打ち合わせ、または公演スタッフとして手伝うなど、ほぼ毎日会って接していました。

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撮影:Noenoe photography
現在のインド音楽を形作った偉人の一人である、ウスタッド・アリ・アクバル・カーン、そして直系家族のアーシシュ・カーンやアミナ・ペレナさんを師として、家族同然に育てられてきたディプトニル。
彼の持つバックグラウンドには、インド音楽の純粋さが純粋なまま受け継がれている、そう思います。そして彼のパーソナリティもまた、とてもピュアなものでした。

過当競争社会、バブル期の現在のインドで、とりわけ彼のような若い世代では、エゴや自己主張が前面に出てくるケースも目立ちますが、そういうのは彼の性分ではないようです。とても稀有な人材でもありますが、それはまた師匠から受け継いだ態度でもあると言っていました。


また彼の音楽に触れたい。

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撮影:Noenoe photography

今回のツアーでは、彼の実力とその音楽の魅力を、全身の細胞レベルで感じていました。

「とにかく学びたい。」

来日前、そして来日してからもそれを伝え続けました。

彼が、タブラ奏者でもある父を持っていたことも、僕にとっては幸運でした。公演の映像を見た父・オシム氏から、電話で具体的アドバイスをいただいたりすることもありました。

それも含めて全てが彼の音楽です。

ぜひ再来日も実現出来たらと思っています。

もっともっとこの特別な音楽環境・空気に触れていたい。また多くの人にも触れてもらいたい。
彼自身、そしてインド音楽の魅力をもっと知ってもらいたいし、また学べる機会ももっともっと作っていきたい。
彼も、音楽は「シェアリング」だと教わってきたと言っていました。
帰国前日の最終日まで練習、率直なアドバイスを得られたり、次へつながるプロジェクトへの種も撒くことが出来ました。

並大抵ではない

ツアー企画というのは並大抵のことではありません。木村吉寛さん、本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました!

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木村さんは現在留学生としてインドに渡り、ディプトニルの父であるオシム氏に師事し、住み込みでシタールの研鑽に励んでいる人です。そんな王道・正道の環境で音楽の修行に打ち込む、これほど正しい学び方はありません。

羨ましい環境だなと思いもしますが、遠回りでも、自分は自分で通って来た道があるからこそ、今気付けていること、巡り会えていることがあるわけです。

とにかく、今回いただいた機会と得られた経験には感謝しかありません。


10月、もう間もなく!

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チョーさんこと、タブラ奏者アルナングシュ・チョウドリィさんが今週末には再び来日します!

チョーさんには、6月の来日時からコーチングを受け、タブラに関するあらゆることを基本から見直してきました。

もちろんまだまだその過程の途中ですが、今回のディプトニルとの公演に当たっても、チョーさんのコーチングがなければ、とても無理だったと思います。

これは前提として認識する必要のあることですが、ディプトニルのように伝統的で正統な環境の中で育ってきた本物のインド音楽奏者と、本当の意味で対等に渡り合うには、とても一代では不可能、何世代かを要するようなレベルの話です。

それでも今回目標としたのは、彼の音楽を彼の音楽として成り立たせる伴奏をするために、最低限何がクリアできなければならないのか、とにかくそこだけに特化し集中して準備をすること。

音楽が成立するギリギリのところまで、捨てられるもの一切を捨て切ること。選択と集中をどこまで突き詰められるかの勝負でした。

その上で、なんとしてでも音楽を成立させるために必死で食らいついていくこと。

実際、彼の演奏のやわらかさ、スピード、音の深さ、緩急や展開の縦横無尽さ、といったものには羽がついているようで、決して決めておいたり固定しておけるようなものではなく、ついていくのは相当なことでした。

余計なものを捨てきれずに身重の状態ではとても無理です。

それでも、練習中や演奏中にも、捨てたはずの欲や誘惑が何度も襲ってくるのがわかりました。その度にチョーさんの言葉を思い出していました。

それは「○○しろ」ではなく「○○してはいけない」というものでした。

一見、制約を加え縛り付けるようなものに聞こえますが、実際には、演奏中の様々な瞬間に応用できるものだということを、感覚として確認することが出来ました。

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はじめから王道・正道を歩み、学び、成長できる幸運な人というのは、そうそういるものではないと思いますが、

僕の場合は、散々に紆余曲折を経ながらも、なお、今日ここにいる、チョーさんはその大恩人なのです。


チョーさん来日公演

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今回は、10/14,15の2公演のみ。そしてグループレッスンが、10/10,11の2つのみです。

非常に限られた機会になってしまいますが、ぜひどこかでチョーさんの音、音楽を実際に体感してほしいと思います。

音楽は、体験することでしかやっぱり伝わりません。