
目的を諦めないために手段を諦める
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諦める?
目的を諦めないために手段を諦める
一般的に、「諦める」という言葉にはネガティブな印象を持つ人が多いと思います。
個人的には、よりこの言葉にピンと来るものがあります。
固執している間違った手段を諦めて、目的のためにもっと正しい手段を選択する
(または向いていない。何れにしても選択として間違っている)
と認めることは、中々に困難です。
大海のような
と、よく形容されるインド音楽ですが、
それは現実にその通りです。
一番深く波の高いところで更に身を削り凌ぎを削っているところに、
プールでも溺れることはあっても、潮に流され遭難することも、
嵐やサメに襲われることもありません。
市民プールで、いくら大海原を渡る夢を見ていても、
また、いくら安全なプールで上手く泳げるようになってみても、
海を泳ぎ渡れるようには一生なれないのです。
インド音楽は、市民プールではなく大海であり、
道路でいえば自動車教習所ではなく、F1サーキットのようなものです。
どういうことかというと、
はじめからやり方が違う。
チョーさんの
昨年の来日前に、こんな記事を書いていました。
今からすれば、思い上がりも大概にしろと言いたくなるような意識が見て取れます。。
「知らない」とは恐ろしいことですが、
「知らないまま」でいることはもっともっと恐ろしいことです。
でも、泳ぎ方を「知らない」まま泳ぎだすのは間違っている。
今年6月のチョーさんの来日で、ようやく海での基本的な泳ぎ方を教わり、
それはつまり「はじめから違う」やり方だったのです。
記事『またタブラに出会えた』にも書いている、
チョーさんから学んだことこそ
目的を諦めないために手段を諦める
目的のために、より正しい選択をする
ことそのものでした。
9月には、
大海の真ん中に向けて全速力で泳いでいるような
若手気鋭のサロード奏者・ディプトニル来日公演があります。
そこに環境と目標を合わせていく設定をしたことと、
そこへ向かう現実的な手段を掴んだことで、
淡々とした道が目の前にあるだけのようにも見え方が変わってきています。
来日公演に向けて
▽2016年9月22日(木祝)-マスミ公演-

幼少より著名なサロード奏者Prof. Dhyanesh Khanの弟子である父Sri Ashim Bhattacharjeeにサロードを習い始める。最年少で、現代インド音楽を形作った最も有名なインド音楽家、故Ud. Ali Akbar Khanの弟子になる 。
現在もUd. Ali Akbar Khanの長男であるサロードの巨匠Ud. Aashish Khan、娘Smt.Ameena Perera、Sri Alam Khan、各氏のもとで研鑽を積んでいる。
スールナンダン・バラティからスールマニ賞を受賞。オールインディアレディオにゲストパフォーマーとして出演。Ud. Aashish Khanとも共演するなどインド国内を中心に精力的に演奏活動をしている。今後の更なる活躍が期待される若手演奏家。2016年9月初来日公演。