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Zakir Hussain インタビューの衝撃

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ザキールフセインインタビュー

U-zhaanが聞く!Zakir Hussainインタビュー

http://www-shibuya.jp/sp/feature/006934.php

インタビューを読んでの私見です。


ある重大な事実が

このインタビューからは読み取れる。

インド音楽の中枢にいる人から、日本人(または外国人)がどういうふうに見えていて、インド音楽にとってどういう位置にいる存在であるかという端的な事実だ。
実は君が初めて私のレッスンに来たときも、正直なところタブラをずっと続けていくとは思っていなかったんだ。
たまたま今はタブラに興味があるみたいだけれど、まあそのうちやめてしまうんじゃないかな、と感じていた。そういう人はいっぱいいるからね。
という部分。
「湯沢さんですらそう思われていたのか・・・!?」
もちろん、湯沢さんが不真面目だったり根性がなかったわけではない。
僕の知る限り、湯沢さんほどインド音楽に真摯に取り組み努力している人もいない。
(ザキールジーがインタビューでも触れているタカヒロ(新井孝弘/サントゥール奏者。インド・ムンバイ在住)くんは本当に例外)
センスも能力も全然追いつかないし、その練習量も真似出来るレベルのものではない。
コルカタでは、同じ下宿でそういう背中をずっと見て来ていただけに、上のザキールジーの発言は正直個人的にかなり衝撃的だった。
これがどういうことを表しているかというと、つまり、個人がどうとかいう問題ではなく、日本人を含む外国人が、どれだけインド音楽というものの外側にいるかという事実だ。

もちろん、ザキールジーが意地悪で言っているわけではないことは、その後の発言からも分かる。


現実は何層にも

重なっていて、普通は自分が見えている層しか見えない。

だけど、本当にインド音楽を学ぶ、「タリーム」を得るためには、しかるべき層にある現実と向き合い、受け止めなければならない。その上で努力した場合にのみ、初めて「タリム」を得られる可能性が出てくる。
日本人はインド音楽のものすごく離れた外側にいる。

日本人は、とか外国人は、とかいう括りは、真理としては本当は正しくない。

だけど、その括りを超えられるかどうかは、この認識からスタート出来るかどうか次第だ。

そうでなければ、間違った層をぐるぐると回り続けているだけで、一生近づけることもない。


ネガティブとポジティブ

前にも書いたことがあるけど、こういう認識は全くネガティブなことではない。

むしろ、お花畑ではない現実世界を、どう生きるかというプロセスにすぎない。

自分がどこにいて、どこを歩いていくのか。


「タリーム」

以前Facebookに、NYの兄弟弟子の動画をシェアして投稿した内容

**********

『本当の知識と智慧は、師との繋がりが生まれた時に初めて得ることができる。 師匠から得られるフレーバー、それを「タリーム」という。』
Pt. Anindo Chatterjee

これが全て。これが得られなければ、その伝統の延長線上にはいないということ。。

ずっと考えてはいるけれど、そこまで辿り着くということは、自分自身の現状から見れば、正直とてつもなく遠く困難なものにも見える。。

NYに住む兄弟弟子は、NYに師匠の学校を創り、毎年数ヶ月間招聘することによって、「タリーム」を得ることと、その機会を人とシェアしていくことを実現している。

数年前に彼から初めて学校のことを聞いたときは、師匠を数ヶ月も独占するために学校をやるなんて、強欲だしなんて自己主張が強いんだろうと正直思ってしまったことを覚えている。

でもこれは、今ディプトニル来日に際して触れている、かつてアメリカ人が、アリ・アクバル・カーンをカリフォルニアに引き留めることに成功したこととリンクして見えてくる。

アメリカ人と一括りにしてはいけないかもしれないけど、師であれ何であれ、お上に盲目的に従うことを美徳としがちな日本人が見習うべきことが、ここには確かにあるのではないかと思う。

インド音楽がこの国で発展しない理由も見えてくる。

本質は自分で取りに行く。

本当の学びとはそういうことだ。

賢明な師はそれを認め智慧をシェアする。


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マリナ・アーマッド・アラム来日公演 2016

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世界に広がるインド音楽を体現する、インド声楽家 マリナ・アーマッド・アラム氏がNYより来日!

来日公演ツアーのサポートで演奏させていただきます。

Marina Ahmad Alam (マリナ・アーマッド・アラム)

バングラデシュの首都ダッカ生まれ。幼少の頃より北インド古典声楽を学ぶ。ダッカ音楽大学で学んだ後、ニューデリーのGandhara Maha Vidyala音楽大学へ留学。北インド古典音楽の代表的なボーカリストとして知られるパンディット・ジャスラジ氏に20年以上に渡り指導を受け現在に至る。グルジ(師)に同行して世界各地でのコンサートに出演する傍ら、ムンバイ(インド)とNY州を拠点にインド古典声楽の指導と普及に努めている。

彼女の師であるパンディット・ジャスラジといえば、異なる主音、異なる音階を歌う男女のデュオ演奏という高度なスタイルを生み出したり、珍しいラーガ(旋律)を数多く紹介したり、新しい曲を数多生み出してきた、先駆者として現代インド音楽を創り出してきた巨匠の一人。多くの優秀な音楽家を育てた師としても有名な人です。

マリナ氏は、そんなパンディット・ジャスラジに20年以上師事し、ツアーで世界を回る師匠に同行し、サポートヴォーカルを務めるなどしています。また現在でも様々な音楽を貪欲に学び、特にSufi音楽にも造詣が深い人。現在、NY、ムンバイ、ダッカを行き来しながら指導にも尽力しています。NYでは、UDGAMというNPO団体を主宰し、米国内外、またインドから奏者を招いて、年4回コンサートを開催しています。

そんな彼女の来日とあって、声楽について、インド音楽について、世界ツアーの現場や学びの現場について、世界やNYでの音楽状況、色々と学び吸収する機会にできたらと思っています。

 


▽9月3日(土)
〜マリナ アーマッド来日コンサート〜

6時半開演 8時終了予定
Keifukuji Hasuda-Saitama
幼児歓迎、シニアの方もご一緒にご家族でお楽しみください

Marina Ahmad ー北インド古典ボーカル
指原一登ーKazuto Sashihara Tabla
土肥 真生ーManao Doi, Guitar

オープニングアクト:小田切淳子 奉納舞(インド舞踊バラタナティヤム)

主催:慶福寺(蓮田市・蓮田4-104)・らあが練馬
問い合わせ:らあが練馬 raga2014@yahoo.co.jp
090-7209-5701関口
http://www.keifukuji.org/

 


▽9月4日(日)
〜マリナ アーマッド来日コンサート〜

Marina Ahmad ー北インド古典ボーカル
指原一登ーKazuto Sashihara Tabla
土肥 真生ーManao Doi, Guitar

オープニングアクト:
バンスリ演奏:田中淳一
奉納舞(インド舞踊バラタナティヤム)ー小田切淳子

練馬区役所地下ホール
練馬区豊玉北6-12-1 都営地下鉄大江戸線 練馬駅 西武池袋線・地下鉄有楽町線 練馬駅
下車徒歩5分
18:30pm開場 18:45pm 開演 20:20pm 終了予定
料金 予約¥1500 当日¥2000 高校生 ¥800 中学生以下幼児も含み無料
予約・お問い合わせ:練馬らーがの会
✉: raga2014@yahoo.co.jp
TEL : 090-1697-8509(19:00 以降 )

 


▽9月10日(土)
〜マリナ アーマッド来日コンサート〜

トーク&ライブ@きらら鎌倉
Talk & Live@Kirara Kamakura

15時〜16時半
予約:1800円 / 2名カップル割引 3000円/2名
当日:2300円 / 2名カップル割引4000円
高校生以下、幼児も含み無料
*カップル割引は異性、同性を問いません。ご家族、お友達も可

トークとバンディッシュ(歌曲)ライブの会
ラーガやインド音楽、楽器についての貴重なお話を
伺うトーク&ライブミュージックイベントです。
質問たくさん大歓迎!インド音楽初めての方も是非ご参加ください
インド音楽トーク&ライブ

Marina Ahmad ー北インド古典ボーカル
指原一登ーKazuto Sashihara Tabla
土肥 真生ーManao Doi, Guitar

予約受付らあが鎌倉
genkistep2@gmail.com

きらら鎌倉音楽室
住所:〒248-0006 鎌倉市市小町1-10-5
電話: 0467-25-2030
JR鎌倉駅東口徒歩3分
駐車場・駐輪場はありません。


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【ディプトニル来日】アリ・アクバル・カーンの言葉「毎日続けてほしいことがある」

カーンサヘブレッスン

ディプトニルが、師ウスタッド・アリ・アクバル・カーンから直接聞いたという言葉を教えてくれました。

皆さんにもシェアさせていただきたいと思います。

まだ幼い時、師は僕にこう訊きました。練習は1日に何回しているんだい?

2回です、と僕は答えました。

すると師はこう語りかけてきました。

朝昼晩と1日に3回ご飯を食べるように、練習も1日に3回しないと駄目だよ。

楽器の音を鳴らすと、体や心が浄化されて綺麗になるんだ。

今は学校の勉強が忙しくて、どうしても十分に練習できない時もあるかもしれない。

そんな時は、一度全ての弦をはじいて音を鳴らすだけでもいいから。

そして毎日続けてほしい事がある。

朝起きたら、まず楽器をつま弾いて、正確な音を耳に入れてほしいんだ。

そして、夜眠る前にも同じように正確な音を耳に入れることだよ。


▽2016年9月22日(木祝)-マスミ公演-

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【出演】ディプトニル・バッタチャルジー(サロード)
    指原一登(タブラ)
【時間】開場 14:30 開演 15:00
【場所】マスミ スペースMURO・大塚 東京都豊島区巣鴨4丁目5-2
【料金】予約 3000円 当日 3500円 ペア 5000円(2名様料金 要予約)
【予約・問合】ご予約・お問い合わせ: mail@kazutosashihara.com 090-4201-6885(さしはら)

来日オフィシャルサイト: dwiptanilbhattacharjee-japantour.tumblr.com

 


▽2016年9月19日(月祝)  タブラ伴奏ワークショップ

【概要】
「Theka(テカ)」と呼ばれる基本のリズムを中心に、メロディ奏者の演奏に合わせた、より音楽的な伴奏の基本を学びます。
・テカの基本的な音の意味やそれぞれの音の方向性
・バンディッシュ(曲)それぞれに合わせたアプローチ
教科書や文字情報からでは決して学べない、最も重要かつ実践的な内容になります。
経験・レベルは問いません。

【出演】講師:ディプトニル・バッタチャルジー
ナビゲーター・伴奏:指原一登
通訳・サポート:木村吉寛
【時間】15:00〜17:00
【場所】都内(ご予約後にご連絡いたします。新宿近辺の予定です。)
【料金】6000円  ※限定10名(要楽器持参)
【主催】HEAT bEAT MUSIC
【予約・問合せ】mail@kazutosashihara.com

 

ディプトニル・バッタチャルジー:サロード奏者

1990年生まれ。インド、コルカタ出身。音楽家の家庭に生まれる。
幼少より著名なサロード奏者Prof. Dhyanesh Khanの弟子である父Sri Ashim Bhattacharjeeにサロードを習い始める。最年少で、現代インド音楽を形作った最も有名なインド音楽家、故Ud. Ali Akbar Khanの弟子になる 。
現在もUd. Ali Akbar Khanの長男であるサロードの巨匠Ud. Aashish Khan、娘Smt.Ameena Perera、Sri Alam Khan、各氏のもとで研鑽を積んでいる。
スールナンダン・バラティからスールマニ賞を受賞。オールインディアレディオにゲストパフォーマーとして出演。Ud. Aashish Khanとも共演するなどインド国内を中心に精力的に演奏活動をしている。今後の更なる活躍が期待される若手演奏家。2016年9月初来日公演。


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【ディプトニル来日】『どうやってアリ・アクバル・カーンの弟子になったのか?』

ディプトニル3ys

受け継いだ小さなサロード

写真は、ディプトニル・バッタチャルジー 3歳の時。
この小さなサロードは、その昔 ウスタッド・アリ・アクバル・カーン(※1)の実際に使っていたという楽器です。

ディプトニルの父が、彼の師匠であり、アリ・アクバル・カーンを父に持つProf.ダネーシュ・カーン(※2)から引き継いだものです。

この楽器は、今でもディプトニルの家にあるそうです。


どうやって私がアリ・アクバル・カーンの弟子になったのか?

by Dwiptanil Bhattacharjee
ディプトニル1yh

(ディプトニル1歳半の時)

私の父(Ashim Battacharjee)はかつて、ウスタッド・アリ・アクバル・カーンの息子であった故・ ダネーシュ・カーン教授に、サロードのレッスンを受けていました。
そのとき私は単なる子供に過ぎず、父の練習の邪魔をすることがほとんど私の習慣になっていました。
私の父は、どうしたら良いか、師であるダネーシュ教授にそのことを相談しました。

そのとき「この子はサロードの音に魅かれていて、この楽器に興味を持っているようだ。」ということに気づいた彼は、小さなサロードを私に送ってくれたのです。そして彼は、私が5歳になったら、師弟の儀式を交わして教えたいと言ってくれました。

しかし、その年彼は亡くなってしまったのです。彼の妹は、このことを父であるアリ・アクバル・カーンに伝えました。

そして私がいよいよ5歳になった時、私は師弟の儀式において、ウスタッド・アリ・アクバル・カーンからその証である”ガンダ”と呼ばれる紐を授かり、教えを受け始めることになったのです。


(※1)ウスタッド・アリ・アクバル・カーン [1922-2009]

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20世紀に活躍した偉大な音楽家。演奏家、作曲家、教育者として、現在のインド音楽の発展に多大な貢献をした。アメリカに初めてサロードを紹介した演奏家であるばかりでなく、1967年にカリフォルニアにアリ・アクバル音楽大学を創設し、以後40年に渡り教育活動にも献身した。

”音楽の父”とも言われる、マイハール流派の創設者 ウスタッド・アラウッディン・カーンの後継者。演奏形式や楽器そのものを大きく改革した アラウッディン・カーンは、ラヴィ・シャンカールをはじめ、多くの演奏家を育てた。

インド独立前後と宮廷の盛衰を知る数少ない音楽家で、最後の宮廷音楽家とも言われている。

 

(※2)Prof. ダネーシュ・カーン [1941-1990]

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ウスタッド・アラウッディン・カーンを祖父に、ウスタッド・アリ・アクバル・カーンを父に持つ音楽一家に生まれ、演奏家、作曲家、教育者として活躍。

サロード奏者として著名な音楽フェスティバルのほとんど全てに出演し、また、ロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)で演奏するなど、多数の海外ツアーをこなした。

アリ・アクバル音楽大学やロビンドラ・バラティ大学で、教育者としても多大な貢献をした。


サロードとアリ・アクバル・カーン、マイハール流派について

 

 


▽2016年9月22日(木祝)-マスミ公演-

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【出演】ディプトニル・バッタチャルジー(サロード)
指原一登(タブラ)
【時間】開場 14:30 開演 15:00
【場所】マスミ スペースMURO・大塚 東京都豊島区巣鴨4丁目5-2
【料金】予約 3000円 当日 3500円 ペア 5000円(2名様料金 要予約)
【予約・問合】ご予約・お問い合わせ: mail@kazutosashihara.com 090-4201-6885(さしはら)
来日オフィシャルサイト: dwiptanilbhattacharjee-japantour.tumblr.com

 

ディプトニル・バッタチャルジー:サロード奏者

1990年生まれ。インド、コルカタ出身。音楽家の家庭に生まれる。
幼少より著名なサロード奏者Prof. Dhyanesh Khanの弟子である父Sri Ashim Bhattacharjeeにサロードを習い始める。最年少で、現代インド音楽を形作った最も有名なインド音楽家、故Ud. Ali Akbar Khanの弟子になる 。
現在もUd. Ali Akbar Khanの長男であるサロードの巨匠Ud. Aashish Khan、娘Smt.Ameena Perera、Sri Alam Khan、各氏のもとで研鑽を積んでいる。
スールナンダン・バラティからスールマニ賞を受賞。オールインディアレディオにゲストパフォーマーとして出演。Ud. Aashish Khanとも共演するなどインド国内を中心に精力的に演奏活動をしている。今後の更なる活躍が期待される若手演奏家。2016年9月初来日公演。
https://www.facebook.com/dwiptanil


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目的を諦めないために手段を諦める

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諦める?

目的を諦めないために手段を諦める
元陸上400メートルハードルの為末大さんの言葉。

 

一般的に、「諦める」という言葉にはネガティブな印象を持つ人が多いと思います。

この言葉は、『諦める力』という為末さんの著書にあるものです。

 

本の内容も素晴らしいと思いますが、
個人的には、よりこの言葉にピンと来るものがあります。

 

その意味を端的に表現すると、
固執している間違った手段を諦めて、目的のためにもっと正しい手段を選択する
ということです。

 

文章にしてしまうとひどく当たり前に思えることですが、
人間、今現在自分の一所懸命やっていることが間違っている
(または向いていない。何れにしても選択として間違っている)
と認めることは、中々に困難です。

 

間違いを認められたとしても、その時点では、
何がもっと正しい選択なのかを知ることは更にまた困難です。
正しかったかどうかの結果は、当然ずっと後になってからでないと分かりません。

 

僕自身、この2年間はずっとこの過程の中にあったと言えます。
そして、現在地点こそだいぶ変わりましたが、
まだ過程の中にいることには変わりはありません。

 


大海のような

と、よく形容されるインド音楽ですが、
それは現実にその通りです。

その中を、タブラで現実的に泳ぎ渡っていく必要があるわけです。

 

歴史の中で、偉大な音楽家たちが、
広く深く豊かに広げてきた大海の
一番深く波の高いところで更に身を削り凌ぎを削っているところに、
市民プールで泳ぎ方を覚えただけの人間が行くのはどう考えても無謀です。

 

そうではなく、まず海での泳ぎ方を覚えること。

 

当たり前といえば当たり前過ぎる話ですが、
海で泳ぐことと、プールで泳ぐことはそもそもまったく別物です。

プールでも溺れることはあっても、潮に流され遭難することも、
嵐やサメに襲われることもありません。

市民プールで、いくら大海原を渡る夢を見ていても、
また、いくら安全なプールで上手く泳げるようになってみても、
海を泳ぎ渡れるようには一生なれないのです。

 

インド音楽は、市民プールではなく大海であり、
道路でいえば自動車教習所ではなく、F1サーキットのようなものです。

どういうことかというと、

はじめからやり方が違う。
 そもそも、そういうことです。

 

先の為末さんの本の中でも、競技においては
世界を目指すのと、日本一を目指すのとでは、はじめからやり方が違うと。

チョーさんの

昨年の来日前に、こんな記事を書いていました。

 

今からすれば、思い上がりも大概にしろと言いたくなるような意識が見て取れます。。

「知らない」とは恐ろしいことですが、
「知らないまま」でいることはもっともっと恐ろしいことです。

はじめから泳ぎ方を「知っている」人間はいない。
でも、泳ぎ方を「知らない」まま泳ぎだすのは間違っている。

 

今年6月のチョーさんの来日で、ようやく海での基本的な泳ぎ方を教わり、
それはつまり「はじめから違う」やり方だったのです。

 

記事『またタブラに出会えた』にも書いている、

チョーさんから学んだことこそ

目的を諦めないために手段を諦める

目的のために、より正しい選択をする

ことそのものでした。

 


9月には、

大海の真ん中に向けて全速力で泳いでいるような
若手気鋭のサロード奏者・ディプトニル来日公演があります。

チョーさんから3ヶ月
とんでもないことにも思えますが、
そこに環境と目標を合わせていく設定をしたことと、
そこへ向かう現実的な手段を掴んだことで、
淡々とした道が目の前にあるだけのようにも見え方が変わってきています。

来日公演に向けて

ディプトニルとのコミュニケーションも取れてきています。
彼の背景にあるインド音楽についても、徐々にご紹介していきたいと思います。

 

▽2016年9月22日(木祝)-マスミ公演-

eeディプマスミ_表re
【出演】ディプトニル・バッタチャルジー(サロード)
    指原一登(タブラ)
【時間】開場 14:30 開演 15:00
【場所】マスミ スペースMURO・大塚 東京都豊島区巣鴨4丁目5-2
【料金】予約 3000円 当日 3500円 ペア 5000円(2名様料金 要予約)
【予約・問合】ご予約・お問い合わせ: mail@kazutosashihara.com 090-4201-6885(さしはら)

来日オフィシャルサイト: dwiptanilbhattacharjee-japantour.tumblr.com
 
 
ディプトニル・バッタチャルジー:サロード奏者
1990年生まれ。インド、コルカタ出身。音楽家の家庭に生まれる。
幼少より著名なサロード奏者Prof. Dhyanesh Khanの弟子である父Sri Ashim Bhattacharjeeにサロードを習い始める。最年少で、現代インド音楽を形作った最も有名なインド音楽家、故Ud. Ali Akbar Khanの弟子になる 。
現在もUd. Ali Akbar Khanの長男であるサロードの巨匠Ud. Aashish Khan、娘Smt.Ameena Perera、Sri Alam Khan、各氏のもとで研鑽を積んでいる。
スールナンダン・バラティからスールマニ賞を受賞。オールインディアレディオにゲストパフォーマーとして出演。Ud. Aashish Khanとも共演するなどインド国内を中心に精力的に演奏活動をしている。今後の更なる活躍が期待される若手演奏家。2016年9月初来日公演。

 


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「中丸一人オーケストラ」にタブラが登場しました。

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中丸オーケストラ.4

日テレ「シューイチ」

「KAT-TUN中丸雄一、一人オーケストラへの道」というコーナーに参加させていただきました。
http://www.ntv.co.jp/shu-ichi/majisuka/

 


中丸さん

今回始めてタブラに触ったにも関わらず、

とても飲み込みが早くて、

情報の整理とポイントの押さえ方がうまいなぁと終始感心させられました。

他にもハピドラム、ベトナムの弦楽器ダンバウという難しい楽器なども
器用に習得していっていて、

さすがジャニーズ!トップアイドル!センスと才能が違う!

とか思ったりしたのですが、、

でも、、

中丸さんの努力家の側面も知るにつけ、

やっぱりそれだけじゃないなあと。。

 

すごい集中力でタブラを練習する横顔を見ながら

ああ、やっぱりかっこいい人だなあと思いました。

 

中丸オーケストラ.1


「タブラ」が

こうして人気コーナーで取り上げられ、
沢山の人たちに認知していただける機会をいただけたことは非常に有難いことです。

中丸さん、番組スタッフの方々、また番組をご覧頂いた皆様、どうもありがとうございました!


もっともっと

タブラの魅力を沢山の人に知っていただけたらいいなと思っています。

 


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7/3(日) 日本テレビ「シューイチ」出演

Category : BLOG , NEWS

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7/3(日) 放送

日本テレビ情報番組「シューイチ」に少しだけ出演します。
内容については番組を見てのお楽しみになりますが、某人気コーナーにてある企画のお手伝いをさせていただいています。

良かったら是非ご覧ください!

 

【放映予定】
7/3(日) 7:30〜9:55
NTV「シューイチ」
http://www.ntv.co.jp/shu-ichi/

▽関東渇水ダム現場を取材▽メニューが多い人気店でなぜか日の目を浴びない「逸品」▽嵐いきものがかり桑田佳祐きゃりー関ジャニHKT三代目…歌の祭典MUSICDAYに密着▽中丸挑戦!珍楽器オーケストラ課題曲は「上を向いて歩こう」▽家族で守る匠の技 #shu1tv


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またタブラに出会えた

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「ふたたび」でも「たしかに」またタブラに出会えた実感がある。

先日のタブラ奏者・アルナングシュ・チョウドリィ来日。

またタブラに出会えた実感。

それは、チョーさんの来日中、本腰を入れてレッスンをつけてもらったことによるもの。

 

Sashi、まず君は決定的に思い切った決断をしなくてはならないよ。

これは数回のレッスンでヒントをもらって直せるようなレベルの話ではない。

10年間染み付いた叩き方と練習法を変えていくためには、
全く新しいフレッシュな意識で、
全く新しいフレッシュな方法で徹底的に取り組まなくてはならない。
いま囚われている意識は、一度捨てる必要がある。
新しいトレーニングのための時間も最大限必要だし、
真っさらな意識で私を信用してくれなくては出来ない。
教えるに当たって、無垢な人間を教えるのと違い、
癖のついた人間を教えるのは並大抵のことではない。

 本気で取り組む覚悟はあるのか?

今までの全てを捨てろという意味ではないけれど、
全ては一旦脇に置いておく必要がある。
少なくとも1年から数年。今ままで習ったフレーズも何も。
高名な師匠を持つ事はいいことだし、それは父親を持つようなものだ。
一生変わるものではない。
ただ、師匠のところへ学びに行き、そのフレーズを演奏するために必要な準備が最初の段階で抜け落ちてしまっている。
原因は君自身にもあるだろうし色々あるだろう。
でも、そんなことはどうだっていい。
この先、現実的に師匠から学んでいくためにせよ、
現実的に生きていくためにせよ、
何れにしても、もっと根本的なところで演奏に対する土台をしっかり固めないといけない。
師匠であれ、父親であれ、先生であれ、
誰も現実的に生き残っていく方法を教えてくれるわけではない。
私も、父親には音楽を仕事にすることに猛反対されたし、
師匠にもコルカタからデリーへ行くことには反対されしばらく許してもらえなかった。
現実的にどうやっていくかは自分が決めることだ。
現実的に必要なトレーニングも自分自身でやっていくしかないんだ。
とにかく今やっているフレーズや練習は一度脇へ置いて、
もっともっと基本的なところを明確に徹底的に、
時間をかけてやっていく必要がある。
最初のレッスンで、現実的にタブラを続けていくためには、
どう取り組む必要があるのかを諭された。


君の選択だ

私はグル(師匠)になりたいと思ったことはない。
それは私の仕事ではない。私の仕事は演奏家だ。
ステージで演奏することでその喜びを皆と分かち合うことが仕事だし、それがただ好きなだけだ。
音楽を愛しているし、音楽を愛する人を愛している。
だからSashi、君の置かれた状況は想像できるし理解出来る。
そして手を差し延べることもできる。
何が君の問題なのかは見えるし、それで苦しんでいるのも分かる。私にはそれを取り除くことができるし、その自信もある。
それはスポーツのトレーナーやコーチのするように、
現実的なプロセスのものだ。
私のスタイルは言ってみれば「コーチ」だ。
これはジョークなんかじゃない。
観光でいいのなら別だけど、
インドに10年も通ってどれだけの時間とお金を投資してきたのか、
私だってジョークでレッスンなんか出来ないよ。
音楽には何ひとつ間違いなんかない。
どんなレベルであれ、それで自分がハッピーならそれでいいんだ。
今のやり方でハッピーならそれでいい。
でもそうでないのなら、問題を解決する方法はあるし、
していく必要がある。
ひとつひとつ積み上げいくんだ。
ただし、じっくり時間をかけて。
でもどの道を選ぶかはSashi、君の選択だ。
いままで通りだって全然構わないんだ。
どうしたいのか決断を聞かせてくれ。

何も異論はなかった。

それこそが、今の自分に必要な最後の1ピースだと知っていたからだ。
タブラを始めて10年で前へ進めなくなり、
次の10年を目標に、すでに方向転換しリスタートしてきたけど、
本当の核心の核心はまだリスタートできていないことが分かっていた。

 

諦めるのは簡単だよ。諦めることはいつだって出来る。
誰でも私だっていつだって諦められる。
でもなぜ諦めることがある?
音楽を愛しているし、タブラを愛している。
音楽はすでに君の心の中にあるし、君の手の中にもある。
なのになぜ諦める必要がある?
必要なのは現実的なプロセスだけだ。現実的なトレーニングだけだ。
音楽を表現するために準備出来ている状態にしておくこと。
とてもシンプルなことだよ。


Give it good time

チョーさんが帰国して1週間が経つ。
この間、練習や意識を根底から見直すプロセスの中にいる。
そして、確かに自分の手の中で感触が変わってきているのを実感している。
結果は当然まだ先だけど、この選択の先には、
今抱える矛盾も解かれていく光が見える。
Give it good time
チョーさんが繰り返し言っていた言葉。
この機会と出会いの巡り合わせに感謝しかないけれど、
それも結果として証明し示していく外にはない。
またすごい人に出会った。
チョーさん、遥かに想像以上の人だった。

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チョーさんの特別レクチャー in MUSE音楽院終了!ありがとうございました!

Image 2016-06-14 at 9.52

チョーさんの特別レクチャー in MUSE音楽院、
ご来場くださった皆様どうもありがとうございました!


今回も、、、

遥かに想定以上の内容になり、密かに感動しています。

なぜなら、チョーさんが来日してから、
このレクチャーは「肌で感じる」体験をシェア出来るものにしたい、
ということについてずっと話していたのですが、
まさかこんなにやってくれるとは正直思ってなかったからです。

生活の中のリズムから「ターラ」の話に、
そしてタブラ言葉「ボル」の話から会場を巻き込んでのコール・アンド・レスポンス、
「ティハイ」と呼ばれる決めのフレーズも、
言葉でなく楽しみながら体で自然と納得できてしまうような方法でシェアしてくれて、
圧巻のエンターテイナーぶりでした。

※司会を務めた織本くんが、興奮しすぎて若干暴走してしまったほど。。。

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誰もが「感じる」力を持っている

音楽がピュアで偽りのないものであるならば、
「楽しさ」「喜び」「悲しみ」「怒り」や「情熱」「ロマンティックさ」もダイレクトに伝わるし、インド音楽にはその要素がものすごく詰まっている。
ぜひ難しいことを考えずに「感じる」ことを大事にしてほしい。

チョーさんが言っていました。

ライブのご予約をいただいているレクチャー参加者の方々も多くいたので、この体験をさらにライブ楽しむきっかけにしていただけたら嬉しいです。


残すところあと二つ

来日公演は、早くも残すところあと二つ。

今日は、四谷・東長寺です!
当日券もありますので、ぜひお越しください!

<日時>
6/7(火) 開場 19:00 / 開演 19:30

<会場>
曹洞宗 萬亀山 東長寺 東京都新宿区四谷4-34

<出演>
ヨシダダイキチ (シタール)
アルナングシュ・チョウドリィ (タブラ)
きゅうり (タブラ)

◎予約:3,000円 演奏会のみ
◎予約:3,500円 終演後1ドリンク付懇親会ご参加・限定30名
◎当日:3,500円 演奏会のみ

http://tablatablatabla.wix.com/japantour#!touchoji/xr3pv


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チョーさんのグループレッスン終了!ありがとうございました!

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チョーさんのグループレッスン、
ご参加いただいた皆様ありがとうございました!


一番大事なのは

「聴く」こと。
正しい音を「聴く」、自分の音を「聴く」、
そのためにまず正しい音を「知っている」こと。

とにかく体で感じ、
自分の耳でよく聴くということを、
チョーさんは強調していました。

タブラのチューニングから始まり、
発音の基本、とりわけトーンについて、音の方向、
「ターラ」を生む基本のリズムとなる「テカ」、
そして「ボル」と呼ばれるタブラ言葉の発音の基本と感じ方とその重要性、
「ティハイ」と呼ばれる決めとなるフレーズの意味と感じ方、
などなどに渡り、
2時間はあっという間でした。

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想定していた以上に、

今回のグループレッスンは、
とにかく「基本の基本を学ぶ」ことをテーマにしていましたが、
チョーさんは想定していた以上に深い内容まで掘り下げてくれました。

この想定以上というのは、
単に自分が知らなかったということの裏返しでもあります。
レッスンでは僕自身も初めて聞くことが多くて、
個人的にも大きな学びになりましたが、
この貴重な機会を多くの人とシェア出来たことは何より良かったなと思います。


本当は、

特別に深く掘り下げたわけではなく、
単に基本中の基本、基礎の基礎で、
タブラの一番最初に知っていなければならないことを
紹介しただけに過ぎないでしょう。

基礎的なことを知らないまま、
何年も学んだつもりになっているということは本当に不幸です。
それは経験からも言えます。

そして、
なかなかチョーさんのように丁寧に教えてくれる人もいないということも確かです。
なぜなら、
インドでは普通に環境から吸収する類のものでもあるからです。


もっともっとシェアしていけるもの

でも今後は、
こういう基礎を学ぶ機会を作っていけることも確認できました。

2時間だけでは足りない。次回は2セッションだ!

チョーさんも言っていました。

ぜひ、また開催したいなと思っています。

※第一線で活躍するチョーさんのような奏者を招聘するのは、
実は◯◯もなかなか大変なので、みなさま応援やご協力いただけると嬉しいです。


チョーさんの来日公演、
今日は幡ヶ谷、月曜は代々木でレクチャーと続きます。

◇アルナングシュ・チョウドリィ2016来日公演オフィシャルページ
http://tablatablatabla.wix.com/japantour

ご予約は下記メールアドレス、または各出演者までお願いいたします。
new.raga.acoustics@gmail.com

<ライブ>
◇6/5(日)幡ヶ谷 jicca 2部入替制
◇6/7(火)四ッ谷 東長寺
◇6/9(木)下北沢 音倉

<特別企画レクチャー>
◇6/6(月)代々木 ミューズモード音楽院