『タブラと姿勢』④まさに蜘蛛の糸

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自分のことは自分が一番わからない

「我々の直面する重要な問題は、それを作った時と同じ思考のレベルでは解決できない」

同じ思考、同じ行動、同じ努力をしていては超えられない。
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前回までの記事:『タブラと姿勢』
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こうして書いていると、書いている本人の思考や反応の癖も、少しずつ外側からみえてきます。
自分のことは自分が一番わからない。
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あるキーワード

「力み」により、自由な動きを獲得できないことに悩み、 暗く冷たく重い出口のみえないトンネルの中でもがいていた中で、あるキーワードが引っかかってきました。

「姿勢」

本連載のタイトルにもなっているものです。
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「自然な姿勢には、自然な安定がある」
というのが、その教えでした。
身体が完全に自然な姿勢で整っていること、それは
・最も楽で
・最も安定していて
・最も持続可能である
それにより、いつでもすぐに動ける最も自由な姿勢、だということなのです。
「元がしっかりしていれば、外からの影響を受けず安定している」
理屈はわかります。筋が通っています。
なにより重要なポイントとして、それは「誰でも出来る」普遍性のあるものだというのです!
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「力み」は抜こうとすればするほど固く締まり、、もがけばもがくほど穴に落ちていくアリ地獄のようなもの。。
いうなれば、そこに垂らされた一本の蜘蛛の糸!
もうしがみつくしかありません!!!
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ものごとは実践

でも、それを知識として知っているだけでは、何にもなりません。
そして、その指導をしている道場で、見た光景が衝撃でした。
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「元がしっかりしていれば、外からの影響を受けず安定している」
だから、
身体の本体が安定していれば、腕を人にどんなに振られても、影響を受けない。
自然な姿勢が出来ていると、その手を持って、どんなに人が「ぶるぶるぶるぶる」やろうともまったく影響されないのです。

そればかりか腕を振る人が、虚しくなるほど抵抗のないものを振っている感じです。

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そのとき思い浮かんだのは、まさにオニンド・チャッタルジー先生の手でした。

まるでどこにも抵抗のない、しなやかでスムースで、ぐにゃぐにゃとは違うふにゃふにゃしたやわらかい手です。
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「なんだ!なんなんだ!これは!」

内心、興奮が抑えられませんでした。
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次回、その「姿勢」についてもう少し掘り下げていきます。