約束
2019年3月、コルカタへ行ってきました。
最大の目的は、師匠に会い、師匠の前に自分を置き、この芸の道において師匠と交わした約束を、果たして守り続けていられているだろうか、ということを確認するためです。
これは生涯変わることがない約束。変わることがないということは、それが変わらずに守られている状態であり続けるための、絶えまない努力が必要ということです。
それは一見してとても厳しく見えるかもしれません。
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今回の渡印中、いつものようにレッスンのため師匠宅に向かう途中で、ふと不思議な感覚に包まれました。
自分を取り囲み関わるすべての人が、自分をサポートし道の先へ連れて行ってくれているような不思議な感覚でした。それは、師匠をはじめ皆が手を引いて目的の地へ連れて行ってくれているようでした。言われようもない至福感と同時に、「自分が」努力して頑張っているつもりになっているだろうが決して「お前が」ではないのだよ、と天に言われているような感じもしました。
確かに、かつての自分とは違うところを歩いている実感はあります。でも、しばらくはこの体験が何であるか受け止めかねていました。
いま分かるのは「約束の道を歩いている限り」というのが絶対条件であるということです。
道を外れるのはあまりにも簡単なこと、あまりにも呆気ないことです。
一方で、道を歩いていけることというのはあまりにも幸せなことです。
95%
「学ぶ上で師が出来ることは5%、残りの95%は弟子次第だ」
と、昨年7月のGanda-Bandhan(ガンダバンダン)の儀式 のときに、師匠が口にした言葉です。
「道を歩いている限り」その限りにおけるかどうかが、いかに大きいことであるかということ。
導かれ続けるために
あなたのいま歩いているところ
それは本当にあなたの道ですか?
いつも自分に問い続けたい。
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