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【レポート】音楽家のための身体ワークショップ『骨盤と肩甲骨』終了!

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2/3(土) 無事終了しました

「音楽家のための身体ワークショップ『骨盤と肩甲骨』」のレポートです。

いろいろな楽器の方にもご興味を持っていただきましたが、今回は皆さまタブラでのご参加となりました。
ご参加の皆様どうもありがとうございました。
*

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良い悪いではなく

楽器をチューニングし、今日のセッションを通して演奏していくシンプルなフレーズをひとつ決めました。
そして毎回ワークの前後に同じフレーズを演奏しじっくりその違いを感じていきます。
正しい間違っている良い悪いではなく、違いの実感だけを得ていく。
そして感じたことを言葉にしてシェアし合います。
これを繰り返していきます。
*
まずは、今回のテーマである『骨盤』から。
それは同時に、身体に入っていくために観るべき最初のステップとして「呼吸」を観ていくことでもありました。
*
この最初の段階で、個人的にもいきなり大きな発見がありました。
手の向きひとつで呼吸が変わる、また意識も変わるということでした。
最初は
「ああこれでは無防備すぎる感じがするな。安定して身体を感じられているとは言えないな」
と思いながら
「でも待てよ」
と両方の違いを丁寧に観ていってみると、、
「これは無防備とも言えるけれど、裏返せばとてもオープンな状態、呼吸のしやすさも違う。しかも気持ちも変わっている!逆に言えば、今まで無意識的に心理的なガードを固めていたということじゃないのか…?なんてことだ…」
*
こういったことを感じたままにそれぞれが言葉でシェアしていき、楽器を鳴らしてみます。
皆んなで、ひとりずつ、そしてまた皆んなで。
それをまた言葉でシェア。
*

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「!」

本当になんという変化でしょうか。楽器を鳴らせばすぐに音に現れます。
*
『骨盤』をテーマに1時間、『肩甲骨』をテーマに1時間、そして腕と全体への意識の向け方などで1時間という感じで、ペアになってお互いの身体に触れるペアワークも交えたりしながらじっくりと進め、でも感覚的にはあっという間でした。
*
『肩甲骨』のワークでは、腕の長さや重さといった、自分が今まで知っていた自分自身の身体のボディマッピングが変わる!といった体験までありました。
参加者からも、
「現在完了形で動く身体を俯瞰している」
ような実感が、以前読んでピンとこなかった舞踏家の言葉につながったといった声もありました。(言葉だけではおそらく非常に伝わりにくいとは思いますが…。)
これは明らかに身体を通した意識の変容です…
*

たった3時間で…

この3時間(実際には3時間半に及んでいました…)で、明らかに全員タブラの音色が良くなっていました。
でも、やっていたのは身体に対する観察と気づきと意識の向け方とそれを助けるワークで、楽器を練習していたわけではありません。
*
何より顕著だったのは、全員で叩いたときの変化でした。
最後に検証のため、皆で録音を聴き比べてみましたが、それは明らかでした。
同じフレーズを演奏する音が、多人数で叩いているようにバラバラに聴こえていたのに、最後は違うフレーズを自由に演奏した音が、重みのあるひとつの音とグルーヴを生み出していました。
*
ひとつになる演奏は瞑想につながっている。
そんなところまで深まるとは、当初想像していませんでしたが、yukariさんの適切なガイドと、お互いのシェアによる感度の高まりの相互作用で得られたのだと思います。
*
講師をしていただいた yukariさんは、こういったガイダンスについても学ばれ、スタジオのヨガや瞑想のセッションでも日々実践していらっしゃるということで、さすがでした。
yukariさん、本当にどうもありがとうございました。

*


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共有しあう

「楽器に向かう前に整えるべきものがあったんだな」
これもこのセッションにご参加いただいた中からの言葉です。

*
「今は正直ちょっと混乱しているけれども、いろいろと探求していけそうです」
これも正直な言葉です。

身体で実感することでしか腑に落ちていかない言葉があります。

*
「身体にとっての<ベスト>の状態というのは、それぞれに違うし、常に変化もしています。それは決して固定した正しい解というようなものではありません。」
yukariさんもおっしゃっていました。

とても有意義で興味深い体験と学びのシェアが出来た一日となりました。

*


次回予定

このワークショップ、ぜひいろいろな方に体験していただきたいので、また4月頃に開催出来たらいいなと思っています。

*

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講師プロフィール

yukari
nida 〜生き方が自由になるヨガスタジオ@表参道〜 主宰
ヨガアライアンス認定 RYT500 & E-RYT200ヨガティーチャー
深いヨガ哲学ー「こころのヨガ」に根ざした「からだのヨガ」をはじめ,「こころのヨガ」や瞑想にフォーカスしたクラスやワークショップを精力的に実施している
毎年ヨガ・瞑想を深めるため海外で研鑽を積む一方,国内外からの実力派講師によるWSの主催・通訳も手がける
これまでの経歴の全てを生かして一人一人によりそうプライベートセッションも好評を博している
studio yoggy(新宿,中目黒)でもレギュラークラスを担当
【略歴】
東京大学大学院修士課程(文化人類学)を修了後,
11年間私立中学高校一貫校にて教職に従事
2010年より,学校勤務の傍ら,studio yoggyでヨガを学び始める
2011年以降,Anusara® yogaを中心に学び,
studio yoggyにて多くのトレーニングを修了
2014年春に教職を退職後,海外に活動を広げる
同年,バリ島にて,2012年より師事するAnusara® yoga正式認定者 Emily Kuser先生のHigh Vibe Yoga Teacher Trainingを修了
同年,表参道にて nida を開業
2015年,Anusara® yoga正式認定者 Bridget Woods Kramer先生,
Carlos Pomeda先生,Ananda Leone先生による
Anusara Yoga Teacher Trainingを修了
さらに2016年には,Anusara® yoga正式認定者Jonas Westring先生,Carlos Pomeda先生,Balarama Chandra先生による
300時間 Anusara Yoga Advanced Teacher Trainingを 修了
以後もバリ島,インド,香港,イギリス,イタリアなど
毎年海外に出かけ,ヨガ・瞑想の研鑽を積んでいる
また,2014年に,インド・ケララ州のKerala Ayurveda Academyにてアーユルヴェーダセラピーを学び,
帰国後は,都内のアーユルヴェーダマッサージサロンでの勤務を経験した後,nidaにて多くの施術を行う
【資格】
Yoga Alliance認定 RYT500, E-RYT200 インストラクター
Anusara Elements™ teacher
yoggy institute認定200時間(YIC200)インストラクター
全米/日本NLP(神経言語プログラミング)協会公認マスタープラクティショナー
【リンク】
ウェブサイトは→こちら
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2018/2/3(土) 音楽家のための身体ワークショップ「骨盤と肩甲骨」

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はじめに

このワークショップは、自分の身体にフォーカスすることによって、
・身体についての認識を深める
・適切に使えるようになるための道標を得る
・それを楽器の上達に役立てていく
ことを目的としたものです。
*
自分の身体のこと、その使い方に関しては、日常あまりに当たり前に使っているために、今自分が持っている認識を疑うことはあまりありません。
実は良くない使い方なのでは?
そもそも根本的に間違っていないだろうか?
もっと違った使い方があるのでは?
といったことを考えながらでは日常的には不自由ですしね。
*
僕自身も、以前は無自覚でいました。
謝った情報を鵜呑みにしていたり、思い込みや勘違いに氣づきもしていなかったために、信じられないほど使えていませんでした。
それは身体(ボディ)だけにとどまらず、見え方聴こえ方も身体性であり、そうすると考え方や感じ方、内面もまた同一線上にある同じものだ、と氣づくのにずいぶん時間がかかりました。
それと同時に、実はそれに氣づいていない知らないことで、修得や上達のための問題解決の入り口にすら立っていなかった、という事実に直面することになりました。
これを受け入れるにも時間が必要で、ずいぶんともがいた経験があります。

身体は、身体だけは身体を通して体験したことでしか理解してくれません。

それが身につくということなのですが、その裏返しとして、頭で理解しよう、頭では理解したという認識が、実は身につけることを阻害する最も危険な要因となっていたのです。

*

身体は正直です。

適切に無理のない使い方をすれば、自分の思っている以上の力を発揮してくれます。

適切でない場合も思っている以上の影響があります。

それらの違いをWSでは少しずつ確かめていきたいと思います。

身体が入り口である

ということを実感していこう!というのが主旨です。

このワークショップによって、僕自身も学びたいことが山ほどあります。同時に、その機会を皆さんと共有していくことで、また新たな発見に繋がっていくのではないかとも思っています。

きっと何かお役に立てる内容になると思います。
*

「骨盤と肩胛骨」

今回スポットを当てるのはココです!
タブラは座って演奏します。そこからまずは「座る」ということが、身体的にどういう意味をもって、その状態によって何が変わるのか?「骨盤」について実感を深めていきます。
もちろん、これはタブラに限らず、他の楽器においても普遍性のあるものなのではないでしょうか。
また、タブラおいては腕の使い方に特殊性があります。これは日常的な動きにはないものですし、他の楽器からも応用しにくい部分であるのかもしれません。
そこで重要になってくるのが「肩胛骨」の働きです。

「骨盤と肩胛骨」

タブラを通した経験しかありませんが、そこから繋がる身体の普遍性というのは見出していただけるのではないかと思っています。
*

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講師はどんな人?

そこ、とっても重要ですよね (笑)

今回講師としてご指導いただくのは、表参道のヨガスタジオ nida 主宰のyukariさん。

yukariさんとは、コルカタから来日したサロード奏者・Dwiptanil との来日公演がご縁で知り合いました。

とにかく学び関して貪欲で、師の元での研鑽はもちろん、他分野での学びや、ゲストティーチャーを招聘しての企画など意欲的に行動されている方です。
遂には、、インド音楽コンサートの企画までしてしまったところで、ご縁をいただいたというわけです。
*
それからこのワークショップに至る経緯は下のリンクの記事に書かせていただいています。
どんなワークになるかについても体験記として触れていますので、よろしければ是非ご覧になってください。
*

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「音楽家のための身体ワークショップ」詳細

【日時】2018/2/3(sat) 13:30-16:30

【場所】ヨガスタジオ nida (表参道)
【講師】yukari
【定員】10名
【料金】6000円
【キャンセル】
※3日前以降のキャンセルは、キャンセル料50%頂戴いたします。
※前日以降のキャンセルは出来ませんので、あらかじめご了承ください。
【持ち物】
※ タブラ、または専門とする楽器をお持ちの方は是非ご持参ください。

音の違いを確認出来るので非常に実感が得やすくなります。

【主催】HEAT bEAT MUSIC
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講師プロフィール

yukari
nida 〜生き方が自由になるヨガスタジオ@表参道〜 主宰
ヨガアライアンス認定 RYT500 & E-RYT200ヨガティーチャー
深いヨガ哲学ー「こころのヨガ」に根ざした「からだのヨガ」をはじめ,「こころのヨガ」や瞑想にフォーカスしたクラスやワークショップを精力的に実施している
毎年ヨガ・瞑想を深めるため海外で研鑽を積む一方,国内外からの実力派講師によるWSの主催・通訳も手がける
これまでの経歴の全てを生かして一人一人によりそうプライベートセッションも好評を博している
studio yoggy(新宿,中目黒)でもレギュラークラスを担当
【略歴】
東京大学大学院修士課程(文化人類学)を修了後,
11年間私立中学高校一貫校にて教職に従事
2010年より,学校勤務の傍ら,studio yoggyでヨガを学び始める
2011年以降,Anusara® yogaを中心に学び,
studio yoggyにて多くのトレーニングを修了
2014年春に教職を退職後,海外に活動を広げる
同年,バリ島にて,2012年より師事するAnusara® yoga正式認定者 Emily Kuser先生のHigh Vibe Yoga Teacher Trainingを修了
同年,表参道にて nida を開業
2015年,Anusara® yoga正式認定者 Bridget Woods Kramer先生,
Carlos Pomeda先生,Ananda Leone先生による
Anusara Yoga Teacher Trainingを修了
さらに2016年には,Anusara® yoga正式認定者Jonas Westring先生,Carlos Pomeda先生,Balarama Chandra先生による
300時間 Anusara Yoga Advanced Teacher Trainingを 修了
以後もバリ島,インド,香港,イギリス,イタリアなど
毎年海外に出かけ,ヨガ・瞑想の研鑽を積んでいる
また,2014年に,インド・ケララ州のKerala Ayurveda Academyにてアーユルヴェーダセラピーを学び,
帰国後は,都内のアーユルヴェーダマッサージサロンでの勤務を経験した後,nidaにて多くの施術を行う
【資格】
Yoga Alliance認定 RYT500, E-RYT200 インストラクター
Anusara Elements™ teacher
yoggy institute認定200時間(YIC200)インストラクター
全米/日本NLP(神経言語プログラミング)協会公認マスタープラクティショナー
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「音楽家のための身体ワークショプ」開催します!

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「何か一緒にやりたいね」

ディプトニル来日公演でご縁をいただいた、表参道のヨガスタジオ nida 主宰のヨガティーチャー・yukariさん。

以前から「何か一緒にやりたいね」と色々とお話しさせていただいていたのですが、昨年末にお会いした際には、具体的に話が膨らんできました。

いつか「音楽家のための身体ワークショップ」をやりたい!漠然とは考えていたことなのですが、このとき具体的なインスピレーションとして ふっと湧いて来たのです。

*


早速

昨日は実現に向けての打ち合わせに行ってきました。

僕の頭の中にあったテーマは『座り方』

座り方を教わるということは、タブラの場合は基本的にないかもしれません。こうしたらいいんじゃない?というアドバイスはあっても、僕自身も実際に教わったことはありません。骨格・体格・関節の柔軟さなど個人差のあることだと考えられているからです。

ただ、個人差以前のこと、人間の身体構造上の基本的しくみ、それに基づいた普遍的な実感、そういったことは厳然なるものとして存在はしていて、決定的に重要であるにも関わらず、楽器を習っているだけではなかなか触れられることのない部分なのではないでしょうか。

*


初タブラ!

まずは、タブラのこと、タブラと身体の関係性について知っていただくために、yukariさんにタブラを体験していただきます。初タブラ!

「楽器の位置はここ、腕の場所はここ、指を置く位置、そしてこの指でこうやって、、」

「、、、」

鳴らない。。。

「そう、だいたい指をこんなに複雑に使おうとすると指が突っ張って音なんか鳴らないんですよね。。」

でも、ここからが違いました。

「最初は指の場所や動きを覚えないといけないので仕方がないですけど、でも実際には指で叩いている感じではなくて、軸をうまく使っていくんです。」

「肘から、肩に抜けて、肩甲骨、背骨、最終的には仙骨、、」

すると、、

「Na!」澄んだ良い音が鳴りました!

「さすが身体のプロ!!!」

思わず声を上げてしまいました!

なんとなんと、これは本当にすごいです!身体の部位を言っただけで、、恐れ入りました!

でも、それはそうかもしれません。。

yukariさんは、yogaの学びを深めるため、毎年数回師匠の元へ通っていらっしゃる他、ゲストティーチャーを招いての講習会の開催したり、氣についても学ばれていたりと、飽くことなき意欲的な学びを実践されている方なのです。

やはり身体の感度が違うのでしょう。

*


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身体ワーク体験!

さあ、次はその体験を踏まえて、逆に身体のワークをyukariさんにしていただいて僕が体験していきます。

まずは、座るための基礎となる「坐骨」について、その動きや動かすことでどう感じが変わっていくのか、それによって構造やしくみを実感を通して知っていくワーク。

「う〜ん、じっくり味わってみると背骨と頭がとてもダイナミックに動いているのがわかるな」

それから他の関節や骨についても、意識を向けて動かしたり、動かされたり、筋肉や関節がここまで伸びて動くことを確認したり、同じ動作でも違う意識で身体が動くとどういう違いがあるか実感をしていきます。

とても分かりやすいのは、その都度楽器を鳴らしてみることで、音に違いが表れることです。これによってより実感が得やすくなりました。

ワークを加えた部位が、どんどん軽くなっていくのがわかります。

その度に、楽器の音がよりクリアーで素直な響きになっていくのがわかります。

「どんな感じですか?」

また、どういう変化が感じられたかを、質問に答える形で言葉で表現していきます。

「自意識がふっと消えて勝手に身体が動いてる感じです…」

これによって自分の実感を、より確かな記憶として刻める効果があるようです。

いい実感が得られれば、どんどんその実感を深めていくワークへと進んでいきます。もうワークが深まってゆくのを、ゆかりさんも一緒に楽しんでいるご様子で止まりません!!

最終的に行ったワークの後は、身体から自由になって不思議な安心感を実感しながら楽器を演奏できるまでになっていました。

もうあっという間に時間が経っていて、とても面白く有意義な時間でした。

*


とにかくまずはやってみよう!

ということで、

2018年2/3(土)

早速ワークショップを開催することにしました!

「音楽家のための身体ワークショップ」

今後やれることがどんどん広がっていきそうなので、テーマを絞って続けていけたらなあと思っています。

先ほども触れたように、第一回のテーマは

『座り方』

まずは楽に座ることが出来ることが、上体や腕、思考までも自由にして行く前提なるからです。

*
対象は、タブラに限らず、座って演奏する必要のある楽器、また楽器を演奏しなくとも座ることでお悩みの方、興味のある方でもご参加可能です。

詳細はまた告知させていただきますが、3時間程度かけてたっぷりとワークしていきたいと思います。
10名程度の定員になりますので、ご興味ある方、ピンと来た方は、ぜひスケジューリングをお願いします。
メッセージなどでお早めにご連絡いただいても結構です。

mail@kazutosashihara.com
*


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2018 本年もどうぞよろしくお願いいたします!

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明けましておめでとうございます!

新しい年が皆様にとって幸多き年でありますように

今年も新しい年の到来とともに、また新しい歳も迎えました

本年もどうぞよろしくお願いいたします

指原一登


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2017年も大変お世話になりました

Category : BLOG

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ご挨拶

2017年は、演奏活動を休止させていただいておりました。
関係各位には、ご迷惑をお掛けしましたことお詫び申し上げるとともに、ご理解をいただいたこと感謝申し上げます。

誠に勝手な事情によるものですが、それは、今までの延長線上から進むべき軌道を修正し、学び直すことに集中するための期間として充てるためでした。

真実に気づきながら目をそらすことはできない。

師匠との関わり、タブラに取り組む姿勢、そういったものを見直しやり直していくためには、少なからず時間が必要になりました。
またそれは、レッスンの受け方や練習のやり方といった方法や技術論の話ではなく、生きることに対する抜本的は取り組みが必要でもありました。
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意義深い一年

実践は、出来たら終わりというわけではないだけでなく、止めてしまったら終わりなので、この先も続いていきます。

ですが、今年がとてもとても大きな学びが深められた年であったことを、ご報告させていただきたいと思います。

それは一言でいえば「学び方を学んだ」ということです。
今後の人生にとっても、とても重要で意義深い一年となるのだろうと思います。
偽りのない実感の深い人生をスタートできたという喜びを、じわっと肚の一番奥底から感じられるようになりました。
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いかに向き合うか

「師匠といかに向き合うか」
「タブラといかに向き合うか」
師匠との関係、タブラとの関係は、その他全てのものとの関係性と繋がりがあるのだということを身体で学んでいった一年でした。それは一番身近な家族との関係にも変化として現れてきました。
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今年は夏に、しばらく悩み続けて行けなかったインドの師匠の元へ行ってきました。
来年また行きます。それが約束です。そしてその時がまた勝負になります。
*

良いお年を

改めて、応援してくださった皆様、新しいチャレンジに関わってくださった皆様、氣にかけてくださりご協力してくださった皆様、また新たに出会った皆様、大変お世話になりました。
どうもありがとうございました。
一番身近で支え、日々の氣づきや学びを与えてくれた家族にも大きな感謝をしたいと思います。
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新しい年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様、どうか良いお年をお迎えください。


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ディプトニルによるタブラワークショップ終了

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来日中の気鋭サロード奏者

ディプトニルによるタブラワークショップが終了しました!

タブラ奏者によるものではなく、メロディー奏者によるタブラのワークショップというところが今回の大きな意義になりました。
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Dha はオープン

まずはタブラのそれぞれの音の特徴について。音のキャラクター、発声のしかたなど、それはどういう音でどうメロディーと一緒に音楽を作るのか。
技術的にこう叩くというような指導ではなく、音そのものがどういう音かという解説。メロディ奏者がそれぞれの音のキャラクターをどういう風に聴いて演奏しているかでもあり、そう聞こえていなければ伴奏にはならないということです。
Dha はオープン
彼がこういう時、それは技術的にこう叩けばこう鳴るよということではなく、音そのものの性格について言っていたのですね。
ディプトニルの父オシム・バッタチャルジー氏は、オニンド・チャッタルジー師匠の古くからの弟子でもあり、ディプトニル本人も日常的にタブラのレッスンにも親しんでいるために、タブラへの造詣も深く、ワークショップでも参加者一人一人に丁寧に対応してくれていました。
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それぞれの声、音色

楽器にはそれぞれの声があり、音色があり、歌がある
それを踏まえて、サロードに合わせた演奏を更に一歩踏み込ませていきます。
今回は一人一人順番に時間をとって、相手に合わせてじっくり丁寧に対応していくワークショップになりました。
様々なテンポで実践し、それぞれにアドバイスをしていきます。
とにかく良く聴き、良く感じることだ
それが最大のメッセージでした。
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すぐに答えがほしい

私たちはすぐに答えを求めがちです。分からない理解できない呑み込めないことを「それはつまりこういうことね」と自分のすでに知っていることの範疇で納得しようとしてしまう。納得できればスッキリするし、なんだか達成感もある。
でも学びとはどうやらそういうことではないんですね。
どうして出来ないんだろうと、時には悶々としながらも身体で覚えていくと、ある日突然頭でもストンと理解できるときがくる。
よく「腑に落ちる」という言葉が使われますが、「腑」というのは内臓です。つまり内臓で理解する、身体で理解するということ。
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「知っている」のフィルターを取り払う

この夏8月にコルカタに行き、師匠の元、学びを深めてきました。また数日間ディプトニルの家にも滞在し、父オシム氏にも指導を仰いできました。
たくさん知っているけれど、何かが決定的に抜け落ちている
それは基礎工事をせずに建て始めた家のようなものです。建てれば建て続けるほど傾く。自分がそんな状況にあると気づき、根底から変われるのか、学び方を変えられるのかを見極めるためのものでした。
それは今まで「知っていた」ものであったことを、新しく「知らない」ものとして観、聴くことが出来るかということでした。
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ノートの中には音楽はない

これは、今回もディプトニルが繰り返し言っていたことです。
伝統的には口承のものだとしても、インドでも学ぶにあたってノートは使います。でも、それには実践的な学びがあることが大前提になっています。
実践が抜けたノート学習の弊害として、
・ノートに書いてあることが答えであると錯覚してしまう
・ノートに書くことで「知っている」ことだと錯覚してしまう
そうなると、目の前のものが観えず、目の前の音が聴けずになってしまいます。
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どんどんシェア

ディプトニルは、毎日午前中の2、3時間はひたすら基礎練習していました。あらゆるテンポでじっくりと基本的なフィンガリングやピッキングそしてコンビネーション。

彼の家に滞在して、一緒にその練習をしてみた時に理屈ではなく感じたものを「ああ、これはもっとシェアしていきたいものだな」と思ったのでした。

得られた学びはどんどんシェアしていきます。なにしろ一生で個人が学べるものは限られています。

今回のワークショップでシェア出来たのは、ほんの触りだけかもしれませんしが、また機会を増やしていけたらいいなと思いますし、内容も充実していきたいと思っています。

最後になりましたが、雨の中ご参加いただいた皆様ありがとうございました!

*


ディプトニル・バッタチャルジー来日公演2017

オフィシャルウェブサイト
http://dpnljp2017.tumblr.com/

 

今年はもう残すところあとふたつです!

10/26(木)
インド古典音楽 x Odaka Yoga®山下恵
【演奏】ディプトニル(サロード) 、きゅうり(タブラ)
【ヨガ指導】山下恵
【時間】開場19:15, Yoga(生演奏付き) 19:30-, Live(演奏のみ) 20:30-
【料金】6,500円(ヨガ+ライブ+チャイ) /Live(演奏のみ20:30- ) 3,000円
【会場】Under the Tree nakameguro http://utnakameguro.com
【住所】東京都目黒区東山 1-9-14-202
【アクセス】東横線、日比谷線. 中目黒駅から徒歩7分
田園都市線池尻大橋から徒歩10分
井の頭線神泉駅から徒歩16分
【ご予約・お問合せ】 kyuri.tabla@gmail.com
【主催】山下恵&きゅうり

 

 

10/27(金)
サロード演奏×yoga 夜のコラボワークショップ
【演奏】ディプトニル(サロード)
【ヨガ指導】yukari
【時間】19:30-21:30
【料金】6,500円(瞑想・おやつ・お茶含む)
【会場】誕生八幡神社 1階和室 http://www.sinakan.jp/entry.html?id=34796
【住所】東京都品川区上大崎2-13-36
【アクセス】JR目黒駅東口より徒歩2分
【ご予約】nidaのWebサイトhttp://www.supersaas.jp/schedule/nidayoga/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9
【お問合せ】nidayoga@gmail.com
【主催】nida

 


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ディプトニル来日2017 特別タブラワークショップ開催!

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10月 まもなく再来日

昨年初来日したディプトニルが、今年もまもなく再来日します!

この来日の機会に、再びタブラ向けのワークショップを開催出来ることになりました!

インド音楽におけるタブラの伴奏について、伝統の核心にいる若き音楽家から学べるまたとない機会です。


ディプトニル来日2017 特別タブラワークショップ

2017年10月22日(日)

時間:16:00 – 18:00

場所:代々木周辺(ご予約の方に直接詳細をご案内いたします)

料金:5000円

講師:ディプトニル・バッタチャルジー
(ナビゲーター:指原一登)

ご予約・お問い合わせ:mail@kazutosashihara.com

備考:楽器持参(キーはサロードに合わせてCになります。楽器について質問・疑問などがありましたらお気軽にご相談ください。)


内容

サロードによるメロディの様々なアプローチに対して、「テカ」という基本のリズムがどう絡み音楽が構成されているかを、実際に演奏しながら体験として身体的に学んでいくものです。

主題となるのは『聴くこと』。
自分の手元でなく、「サロードの音を聴く」ということに焦点を当てていきます。

「テカ」はタブラを学んでいれば誰でも知っています。ですが、「テカ」をどう演奏するかを知る、に進んでいくためには実践が必要になります。

実践とは、頭で理解するのではなく身体で理解していくこと。それは表層的な意識よりもっと深い層に潜在的な記憶として入っていくことになります。

また「聴く」という行為はとても選択的な行為です。何をどう選択し聴いていくのか、それを実践を通して学んでいきます。

ディプトニルの演奏するサロードの音色は、驚くほど繊細で優しい響きがあります。その生の音を間近で聴きながらタブラを演奏出来ることを楽しむこと、出来るだけ体験そのものをポンとそのまま入れてしまう。それが身体で理解していく上での何よりの方法かと思います。

頭で難しいことは考えずに、友達に会いに行くような気持ちで楽しんでいただけたらと思います。

***
昨年のワークショップの様子はこちら↓

まずは「その音」… 大事なことは「バランス」…

 


流派というより一家のようにして

ディプトニルは、20世紀において大いに発展したインド音楽の主流である、マイハール流派の直系かつ核心にいる数少ない音楽家の一人です。

Ali Akbar Khan、Aashish Khan から家族同様にして受け継いできた音楽の本質に触れる、贅沢な本物の体験。

知る人にとっては贅沢過ぎるとも言えるかもしれません。

ぜひこの貴重な機会を、ご興味のある皆さまとシェアできたらと思っています。

 


プロフィール

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ディプトニル・バッタチャルジー (Dwiptanil Bhattacharjee)

サロード奏者
1990年生まれ。インド、コルカタ出身。音楽家の家庭に育つ。幼少よりDhyanesh Khan教授の弟子、父Ashim Bhattacharjeeにサロードを習う。5才で伝説的なインド音楽家、故Ud. Ali Akbar Khanに最年少で弟子入り 。また、サロードの巨匠Ud. Aashish Khan、故Ameena Perera、Alam Khan、各氏のもとで研鑽を積む。 スールナンダン・バラティからスールマニ賞を受賞。オールインディアレディオにゲストパフォーマーとして出演。Ud. Aashish Khanと共演するなど、インド音楽界期待の若手演奏家。Aashish Khan School of World Music Kolkataでは講師も務める。2016年9月に続き、2度目の来日公演。

 


ディプトニル来日2017 全公演情報

今年の来日ツアー詳細は、こちらの特別サイトでご覧いただけます。
http://dpnljp2017.tumblr.com

サロードという楽器は、インドでも奏者があまり多くない楽器です。「サロード」という名前の由来には元々「美しい音」という意味があるのですが、ディプトニルの生み出す音には、この楽器の持つキャラクターに繊細かつ優しい響きが現れるのが魅力です。それは日本人の琴線にも触れるものがあると感じます。

そんな魅力にたっぷり浸れるのが、10/21(土)のインド音楽公演です。
目黒の神社でというのも絶好の環境です。

ぜひ足を運んでいただきたいと思います。

その他今年はヨガとのコラボ企画もあるので、来日サイトをチェックしてみてください。
(※ヨガ方面でインド音楽にも通じていらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思いますが、今回のヨガとのコラボは正直仰け反ってしまうくらいありえない贅沢企画だと思います。)


■プロモーションビデオ

■メッセージビデオ


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タブラ部発表会2017 開催!

HEAT bEAT MUSIC 各教室合同での初めての発表会を開催いたします。

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2017年8月6日(日)
14:30〜15:30
ano ano 音楽堂 ( anoano.net )
テーマは「Te Te」
このタブラの基本となる音使いの中で、音の違いを感じ、身体で実感を深めることを目標に、じっくり練習を続けています。
暑い盛りですが、ご都合つきましたら、ぜひ応援にいらしてください。
ご入場は無料です。

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『タブラと姿勢』⑦心と身体と無意識と

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前回は、「氣」というものに触れました。

元氣、活氣、やる氣、本氣、病氣、また自然の中にも、春の氣配、雨の氣配、など…
*

とはいえ

「氣」だけでは、、
「元気があればなんでもできる」
という有名なフレーズもありますが、
でも、元気だけでは、やる気だけでは当然できないこともあります。
それに必要な身体的技術が伴わなければ、お話にはなりません。
タブラはもちろん叩けません。
「氣合」だけで自転車に乗れるようになったわけではなく、訓練して無意識的に乗れるようになっています。
身体が無意識的に出来るようになったら、その身体を動かしているものは、もう「氣合」なわけではないですが、「氣が通ってる」から転倒せずに乗っていられます。
そして今度は、どこに行こうと思う心が身体を動かす、というのが順序。
思う前に身体が勝手に自転車をこいでいたらあぶないですね…
*

心身の姿勢

身体の姿勢にたいして、「前向きな姿勢」「後ろ向きな姿勢」というように、心の姿勢と言われるものがあります。
身体の姿勢は、心の姿勢にも影響を及ぼしているので、身体が崩れていると、それは心にも影響を及ぼしています。
だから、「身体を整えることで心を整える」というのもよく聞く言葉です。
*

身体で覚える

一方で、理屈ではなく、「身体で覚える」ということも沢山あります。
音楽も本来そうだと思います。
だから、頭も身体の骨や関節も固まっていない、幼少のうちから訓練するのです。
でも、それを言っても始まらないので、「身体で覚える」ということを、矛盾するようですが、どういうことか考えて理解してやる必要があると思います。
*

無意識に入れる

「身体で覚える」ということは、言いかえれば「無意識に入れる」ということです。
無意識に正しくストンと入れてやる必要があります。
何が正しいかは、結局その目的設定によるので、これがまず重要だということにはシリーズ第①回で触れました。
ストンと入れると言っても、実際には、繰り返しの訓錬と修正、そしてまた訓練という継続した取り組みが必要になるのです。
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この無意識に入れてやる感覚を掴むための、第③回で触れた、やったことのないことをしてみる、またやったことのないことをしているつもりでやる、ということなのだと思います。
まっすぐ最初から入ってくれれば問題ないわけですが、違う形で誤って覚えてしまうこともあります。
それを入れ直すための工夫なのだと思います。
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もうひとつ、

無意識には意外と「簡単にものが入ってしまう」ということも知りました。

だからこそ、そのときの心の向け方、使い方が非常に大事になってくるということです。
たとえば、目的意識もないまま、テレビをだらだらと見ていると、必要でないものまで無意識に蓄積されてしまいます。
また、感情に任せて子供を叱ってしまうのも、子供に言われている訳と目的が伝わっていれば別だと思いますが、「なんでできないの」「どうしていつもだめなの」といった類の言葉は、子供の無意識にどんどん「できない」「だめ」が刻まれていってしまうので、非常に危険だと想像出来ますよね。叱る側も、目的が見えなくなって意図とは逆の行動・言葉を無意識的に使っているかもしれません。
少しそれましたが、つまりここでは、目的設定が曖昧だと「無意識には別のものが入ってしまう」ということを言いたいわけです。
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心をしっかり向ける。

スマホを見ながら歩けば危ないですし、スマホを見ながら食事をすれば味も思い出せませんよね。心はスマホの方を向いている。
やりたくない、嫌だけどやらなければいけないことも沢山あります。
でも、心をそむけたままやっていると身体のパフォーマンスがものすごく落ちる、疲れる、しんどい、そして場合によっては危ない。
心の使い方。
目的と心がしっかり重なってはじめて、身体は本来のパフォーマンスをしてくれる。
ステージでも、目的と心の使い方が一致していないと、余計な緊張にとらわれたりしてしまう。
学ぶときにも、これが一致していないと「身体で覚える」ことはできない。
これが「心の姿勢」
*

このシリーズは、自分が学んだこと、実践していくべきことを整理しながら書いています。

次回は、「学ぶということ」氣・心・身体について、少しまとめていきたいと思います。

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『タブラと姿勢』⑥鍵となるもの

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前回は、自然な姿勢というものについて触れました。

「自然な姿勢には自然な安定がある」
*

ひとつ

今まで、身体的な側面から「姿勢」について触れてきましたが、「学ぶ姿勢」などというように、もちろんそれだけではなく、それより重要なこともあります。
そこに触れていく前に、まずひとつ理解しておく必要があるだろうということについて書いておきたいと思います。
*

となるのは

「氣」
というもの概念です。
元氣、活氣、やる氣、本氣、病氣、氣持ち、氣が合う、氣になる、氣が抜ける、氣をつけるなど、「氣」という言葉は日常的にもよく使っていますし、日本語にはこの言葉を使う表現がたくさんあります。
つまり、日本人はもともと「氣」というものを感覚的に理解している。
これを聞いた時は、とてもしっくりくる感じがありました。
春の氣配、雨の氣配、秋の氣配…
自然の中にも「氣」を感じている証拠ですよね。

自分が何かを目指す、取り組む上で、個人的なものでない、何か日本人としての美学やアイデンティティを求める、大切にしたいと思う心もありました。

それで、よりしっくりきたのだと思います。

*

「氣」

は難しいものでも、怪しいものでもなんでもなくて、生きている限り、本来誰もが持っていて、誰もが出していて、流れているもの。
しかも、「空氣を読む」といった言葉もあるほど、世の中はそもそも「氣」で満ちていて、それが「流れる」か「滞る」かの違いだということです。
東洋医学で「気血」と言われたりしますが、日常的な日本語の中で見つけていくと、より身近で当たり前のものとして感じられます。
なぜ「気」ではなく旧字の「氣」と書いているのかといいますと、「氣」はエネルギーだから、气の中が「〆」はではなく、八方に広がる「米」という文字の方が本来の意味に合致している、ということを聞いたからなのです。
これも、非常にしっくりくるものがありました。
漢字はイメージをダイレクトに伝えてくれます。
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氣が通る

自然で安定した姿勢のためには、まず、全身、頭のてっぺんから指先、足のつま先まで「氣が通っている」ことが必要。
これは「氣が抜けていない」状態ということとも言えると思います。
例えば、疲れているときにだらっとして「氣が抜けている」と余計に疲れてやる氣が出ません。
当然、タブラについても、脱力して「力が抜けている」ことと「気が抜けている」ことは明らかに違うのは容易にわかります。
聞けば当たり前のことですが、あらためて言われてみなければ、よくよく意識したこともなく、つまり知らなかったことでもあります。
氣が通らず滞れば「病気」になり、氣が絶えれば「氣絶」、止まれば死んでしまう。
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氣を出す

また、氣は出せるもので、特別何かをしなくても出ているということもわかります。
「元気出していこう」「やる気をだせ」
出る氣が強ければ「強氣」、弱いと「弱氣」、内にこもれば「内氣」…
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出来る氣

「出来る氣」がしないけど、日々取り組んでいれば近づける。
なにに?
結論から言えば、「出来る氣」がしなければ「出来る」ことはありません。

また、もしかしたら「出来るかも」でも、もしかしたら「出来ないかも」

これもダメでしょう。

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実際、以前の記事『タブラと姿勢』①目的が定まっているかでご紹介したテストで、
「出来る」「出来ない」「出来ないかも」
と言葉を発してみれば、身体とその能力が、どれだけ言葉と気持ちに無意識的な影響を受けているのかに驚かされます。
*
もちろん「出来る」とさえ言えばなんでも出来るわけはなく、その時点では「出来ない」こともあるでしょう。
ただ、こういうことが言えると思います。
本氣で「出来る」と思っていない人間には、本質的に誰も何も教えることは出来ない
ということです。
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この続きは、また次回にしていきたいと思います。